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オリンピックとともに河北省観光を楽しむ

 

河北省は北京市に隣接し、東に渤海湾を望む、恵まれた立地にある。総人口6800万人、総面積188000平方キロ、海岸線は487キロに及び、海辺、平原、湖、丘陵、山地、高原のすべてを擁する全国で数少ない省である。温帯大陸性気候に属し、四季がはっきりしている。春は乾燥して風が多いが、夏は暑く雨が多い。秋はさわやかで涼しく、冬は寒く乾燥する。河北省の独特でうるわしい自然風景は、それぞれの地形や穏やかですごしやすい気候によってつくり上げられたものである。

「オリンピックとともに河北省観光を楽しむ」のは、オリンピック観戦に中国を訪れた海外からの旅行客のベストチョイスであろう。海外の友人たちを迎えるため、河北省観光局は念入りに企画した7つの観光コースを発表した。



 

サッカー観戦と海の幸

海辺でロマンとパッションを満喫

北京— 唐山、秦皇島(1日~5日)の旅

清の東陵 定西陵(慈安皇太后と日本では西太后の名で知られる慈禧皇太后の墓)(写真・劉世昭) 唐山市・月坨島生態リゾートの木造の小屋  万里の長城の東の起点・老竜頭 


北京市から京瀋(北京—瀋陽)高速道路を東へ139キロほど行くと、唐山市遵化県の清の東陵に到着する。

精巧な建築物、広大な規模の、壮大な清の東陵は、清王朝の2大陵墓群(清の西陵も同じ河北省の易県にある。本誌05年3月号および5月号でそれぞれ「世界遺産」で紹介)の1つである。ここに葬られているのは、康熙帝、乾隆帝、西太后(慈禧)をはじめとする5人の皇帝、15人の皇后、136人の妃嬪。2007年、清の東陵は国家5A級の観光地に認定された。昔から「北方磁器の都」と呼ばれてきた唐山市は、1976年の大地震から立ち上がった新しい都市である。地震遺跡や震災記念館、震災記念碑を通じ、世界を震撼させた歴史を振り返ることができる。時間に余裕があれば、精美な唐山磁器も見てみよう。

唐山市の東南端には、「菩提島」「月坨島」と呼ばれる2つの島がある。さまざまな植物が生い茂るこの島は、408種類の鳥が生息する国際的にも著名な野鳥観測基地である。この2つの小さな島にはそれぞれ特色がある。普提島には明・清代の寺院の遺跡が見られ、北方では珍しい菩提樹の多い風景が広がる。月坨島にはオランダ情趣があふれ、異国情緒漂う生態リゾートが現在建設中である。

唐山市から車で1時間、美しい観光都市・秦皇島市に到着する。

秦皇島市は山と海で名を馳せる沿海都市であり、秦の始皇帝がこの地を訪れたことから「秦皇島」と呼ばれるようになり、中国の「夏の都」と誉れ高い。市内の北戴河海岸は清代から「各国名士の避暑地」であったリゾートエリアで、毎年延べ700万人以上の観光客を引きつけている。北戴河、南戴河、昌黎黄金海岸などあわせて126キロに及ぶ海岸線は、ビーチの勾配がゆるやかで、美しい海をヨットが軽快に舞う。海水浴やビーチスポーツ、ビーチでの文化イベント、マリンスポーツには理想的な場所である。山海関は万里の長城の東端にある要塞で、山と海に挟まれた立地によりこの名がついた。さらに南へ進むと、「老竜頭」と呼ばれる万里の長城が海まで延びたところ、すなわち長城の東の起点にたどり着く。形が巨大な竜のようであるため「老竜頭」の名がついた。国内外の長城ファンを引きつけるだけでなく、初めて中国を訪れた外国人が真っ先に訪れて損のない観光地である。

今年8月、北京五輪のサッカー予選が秦皇島市で開幕、男子、女子サッカーの12試合が行われることになっている。8月6、9日には、女子サッカーG組の「日本VSニュージーランド」と「日本VSアメリカ」の試合も行われる。

皇室ライフを心ゆくまで楽しむ

北京—承徳(2日~4日)の旅

承徳・避暑山荘の水心榭(写真・劉世昭)
北京市から230キロ、京承(北京—承徳)高速道路は歴史文化名城の承徳市に直通している。承徳の名所といえば、避暑山荘 (離宮)と外八廟(本誌06年7、9月号「世界遺産」で紹介)、そして北部の囲場県の広大な草原である。

承徳(旧名は熱河)避暑山荘は承徳市の北にあり、中国現存の最大規模の皇家園林及び著名な文化財観光地である。清・康煕40年(1701年)の秋、康煕帝は文官と武官を率いて、24度目の北部巡視に出かけ、木蘭猟場で狩猟を行った。途中、熱河の宿営に着いたとき、奇異な峰のそびえ立つ見事な景観に目を留めた。康煕帝は、この山と水に囲まれた広々とした土地に、行宮を建設するよう直隷(河北省の旧称)総督に命じた。以来、わずか20数戸しかなかった小さな山村は、89年かけて世界最大の皇室庭園となった。山荘の内には、楼や台、殿、閣、軒(窓のある長廊下)、斎(部屋)、亭、榭(四方を展望できるよう造られた高殿)、廟、塔、廊、橋など約120に及ぶ建築物が建てられている。そのうちもっとも代表的なものが「康乾72景」で、自然の山水と互いに照り映え、園の中に園のある、景色の中にまた別の景色のある、様々な立体絵巻を作り上げた。

避暑山荘の東北の山の麓には、12の皇室の寺院がある。そのうちの8つは、清朝政府の俸禄を受けているので「外八廟」と呼ばれる。ここは清朝の皇帝が承徳に滞在した時に政治を行った場所で、それぞれの寺院の建造は、歴史典拠と密接に結びついている。外八廟全体を眺めると、まばゆく壮観で、星が月を擁するように山荘を取り囲み、「民の気持ちにあわせ、政権をゆるぎないものと成す」という清代皇帝の政治意図を示す。

 

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