People's China
現在位置: 連載scope

「中国の夢」が「両会」主旋律

沈暁寧=文

習近平党総書記が就任後、打ち出した「中華民族の偉大な復興実現」を核とする「中国の夢」は、今では中国社会で奏でられるフォルティッシモの主音になっている。

「両会」で「中国の夢」について語り合った少数民族の代表と委員。人民大会堂の前で記念撮影(新華社)

その主音は、3月、北京で開催された「両会」――第12期全国人民代表大会(全人代)第1回会議と中国人民政治協商会議(全国政協)第12期全国委員会第1回会議――でも響き渡り、5000人を超える全国人民代表、全国政協委員はそれぞれの議案、提案、言論を通じて、さまざまな側面、角度から「中国の夢」の意味を解釈し、豊富にし、「中国の夢」実現の道を模索した。「中国の夢」は「両会」の主旋律だった。

悲惨な一世紀を克服して

中国は1940年以降、封建主義、官僚資本主義、帝国主義列強に抑圧され、一世紀余に及ぶ悲惨な時代に陥り、国権を喪失し、人民の安寧な生活は損なわれ、「東アジアの病人」と嘲笑されていた。それ以来、国家独立、民族解放は中国人の心の底に最大の夢として秘められていた。

1949年10月1日、中国共産党は中国人民を率いて中華人民共和国成立に導き、国家独立と人民主権の夢を実現した。その時から、中華民族復興の夢は新たな一ページを開いた。  

新中国成立から63年、とりわけ改革開放の30年余の間に、中国人の夢は相次いで正夢になってきた。1964年、周恩来は工業、農業、国防、科学技術の現代化構想「四つの現代化」を打ち上げた。次いで1979年、鄧小平は「四つの現代化」を数量化し、一人当たりの国民総生産(GNP)を1000㌦に設定した。この夢は2003年に実現した。割譲させられて約百年になる香港、澳門(マカオ)がそれぞれ1997年、1999年に祖国に復帰した。2003年10月、楊利偉宇宙飛行士が乗る宇宙船神州5号が大気圏外を飛行し、宇宙飛行の夢はもう幻想ではなくなった。2008年8月、北京五輪の開催に成功し、百年来の夢も実現した。

建国の夢、「四つの現代化」の夢、祖国復帰の夢、宇宙飛行の夢、五輪開催の夢……これらの夢を一つひとつ実現し、中国人が求めてきた民族復興の足跡を前進させてきた。未来を展望すると、小康の夢は10年後に実現し、さらに強国の夢、富民の夢、平和的発展の夢が、民族復興の夢の前途を指し示すことだろう。

 「大学までを義務教育に」

「両会」の人民代表と政協委員は、「中国の夢」について自らの理解と着想をこもごも表現した。さまざまな地域、ジャンル、階層、党派を代表する人々の意見は「中国の夢」をより具体化し、豊富に、明晰にしてきた。

ハイブリッド米の専門家・袁隆平委員は次のように語った。

「私は夢を二度見ました。ひとつはイネの下で涼をとる夢でした。夢の中でイネがコウリャンの高さに伸び、コメ粒はピーナツの大きさでした。もうひとつは一日も早く一ムー(約六百六十七平方㍍)当たり一千㌔の収量を達成すると、若い人たちは一千百㌔、一千二百㌔を目指して奮闘することを望む夢でした」

「中国共産党成立百周年には高校までを義務教育とし、新中国成立百周年には大学までを義務教育とする」――四川大学商学院院長の徐玖平委員が語った「教育の夢」だ。

広東省発展・改革委員会副主任の魯修禄代表の夢は国家が強大になり、人民は優雅で落ち着いた生活を送ることができること。山東省濱州市韓店鎮西王村党委員会書記の王勇代表は八億人の農民が豊かになることを望み、内蒙古自治区森工グループ理事長の張学勤代表はまずグリーンの夢を実現し、良好なエコロジー環境を創造することだ、と述べた。

人民を幸福にするために

「中国人民がさらに安定した仕事につき、満足できる収入があり、充実した社会保障が整い、高水準の医療・衛生サービスを享受でき、快適な居住条件に恵まれ、優雅な環境に囲まれている……」――代表、委員が口々に語った心からの夢は大きな原動力、エネルギー源となり、中国社会のさまざまな分野で、民族復興の偉大な目標に向かって全面的な推進力となるだろう。  中国外文出版発行事業局長の周明偉委員は「中国人は自らの夢を世界に語り掛け、各国人民と共に歩み、さらに多くの国際協力事業を展開し、地球全体の繁栄を図り、その成果を共に享受したい」と、強調した。  3月18日、新任の習近平国家主席は全人代第一回会議閉幕式で、「中国の夢」の意義をさらに一歩進め「中国の夢とは結局のところ人民の夢であり、人民に依拠して実現し、人民に幸福をもたらさなければならない」と、語った。

 

人民中国インターネット版