地下鉄1号線 万寿路駅 (グルメ)
文・写真=李京艶
南京大牌檔
凱德晶品ショッピングモールの4階に位置する南京大牌檔は、清代末期・民国時代初期の酒楼、茶館そして町並みや風情をイメージした店で、中国の江南地方の特色が際立っている。
店内は清潔で古風な佇まいであり、至る所に見られる黄皮紙で作られた灯篭と木製のテーブルや長いすが互いに引き立て合って店内に風情を添えており、江南の情緒が店全体に際立っている。各テーブルの下には来店客が荷物を置けるように木製のかごが備えられており、彼らに対する店主の心遣いがうかがえる。
また来店客を熱烈に歓迎する接客スタッフや親切なウェイトレス、賢くて気立ての良い腕利きのキッチンスタッフたちの温かいもてなしによって、来店客にアットホームな雰囲気を提供している。ディナータイムに熟練した老芸人による「蘇州評弾(講談に似た蘇州の民間芸能)」が披露されると、まるで昔懐かしい南京の民家に身を置いて、次第に江南の水郷ならではの柔らかくて優美な雰囲気に包まれていくかのような気分を味わえることだろう。
南京大牌檔は南京に本店があり、1994年に開業以降20年にわたって伝統的な美食を提供してきた。メーン料理は淮陽料理系で、素材の味を十分に生かすことをこだわりにしている。淮陽風の「清燉獅子頭(獅子頭のスープ煮)」は、弱火で6時間かけて煮浸しにした一品で、スープはあっさりとしていてうま味が詰まっており、肉はみずみずしくて柔らかく、飽のこない味だ。皮がパリパリで肉が柔らかく、甘さの中にほのかな辛さが絶妙な「王府泡椒鶏(鶏肉の漬け唐辛子炒め)」の味わいは、四川料理の痺れる辛さよりも食べやすい。
清燉獅子頭 王府泡椒鶏
手作業によって細かくし、銅の鍋で煮立たせた「古法糖芋苗(甘くてとろみのある汁に小さなイモが入ったスイーツ)」は、小さなイモと甘くて柔らかいもち米の味わいが南京の伝統的な風味を際立たせており、かつて「中華名小吃(中華の著名なスナック・軽食)」に選出されたことがある。黒砂糖を加えて煮詰めた「酒酿赤豆(甘酒と小豆の中華風ぜんざい)」は、元宵節(中国の祝日で、日本の小正月に相当)ならではのデザートであると同時に南京の伝統的な味覚であり、甘酸っぱくて歯ごたえのある味わいだ。さらに滋養が豊富で気持ちを高揚させる効果があるので、特に女性におすすめの一品だ。最後に特筆するのは、黄金色でさくっとした食感に、ニラと豚肉の具がたっぷり詰まった特製焼き餃子で、来店したら必ず注文したい人気メニューのひとつだ。
古法糖芋苗
素什錦(中華風精進炒め) 招牌塩水鴨
桂花糖藕( レンコンのもち米詰め、桂花風味甘汁かけ) 香干馬蘭頭(豆腐干とコヨメナのみじん切り和え)
所在地: 海淀区復興路51号凱德晶品ショッピングモール4階(万寿路駅B1出口東へ50㍍)
電話:010-88178777
一人当たりの平均予算:40元
人民中国インターネット版 2014年4月8日