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産業移転の最前線 安徽長江流域を行く 池州

 

井上俊彦=文・写真 王衆一=写真

池州産業移転で多角的発展を めざすは「宜業宜居宜遊」  

銅陵市に南接する池州市は、良好な地理・自然条件を生かし、多角的な発展計画を進めている。池州経済技術開発区を中心に、特に同市が力を入れている産業は三分野にわたる。  

まずは物流。長江に面する池州港では、立地条件の良さを生かし、香港資本の投資で現代物流産業センターの建設を進めている。今年中には最終三期工事が完了し、年間二千五百万トンの貨物取扱いが可能になるという。  

一方、製造面では電子情報新興産業基地、非鉄金属産業基地の建設が急ピッチで進められている。その代表が、銅陵有色金属(非鉄金属の意味)グループの安徽銅冠銅箔公司による、極薄銅箔生産工場だ。同市では、隣接する銅陵との一体化を進めながら、総合的な産業開発を進めているのだ。今年十一月完成予定の工場だけで、年産一万トンの世界でも最先端を行く高精度電子基板用銅箔を生産する予定だ。全体が完成すれば三万トンを生産できるそうで、生産設備は日本から輸入したという。

地域の豊富な非鉄金属資源を生かし、付加価値の高い新材料を生産する銅陵有色金属の工場建設が進む
  

同市独特の取り組みとして、中部地区アニメ・漫画クリエイティブ産業都市の構想がある。すでに、安徽中卡通動画制作公司が設立され、オリジナルアニメの制作が始まっている。中核となるスタッフには台湾から経験豊富な人材を招き、制作と並行して人材育成も進めていく考えだ。  

一方、同市の江南産業集中区は、昨年正式にスタートした面積二百平方㌔の巨大プロジェクトだ。有名な中国古典演劇の演目『遊龍戯鳳』の舞台ともなった梅龍鎮にあるオフィスでその展望を聞いたが、同区は単なる産業パークではなく「宜業宜居宜遊」(ビジネスにも暮らしにもレジャーにも適する)ニュータウンを建設するという。九華山を有し、李白、杜牧、乾隆帝などにゆかりを持つ歴史と文化のまちは、急速に開発が進むモデル地区の中で、ひときわ個性が光る存在になっていきそうだ。

高速道路が整備され、九華山は世界遺産の黄山ともクルマで数十分の距離となった

 

人民中国インターネット版 2011年5月

 

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