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若芽が巨木に はたちになった中国資本市場

 

ヤミ操作、ヤミ取引が横行 一般投資家保護の法整備

鄧氏の「南巡講話」は「氷を割る」行動であり、中国資本市場の萌芽だった。1993年、株式の試験的な発行地は上海、深圳から全国に拡大された。5年後、上海、深圳両市場の上場株式は931銘柄に達した。  

しかし、その過程では、市場が設立されたばかりで、数多くの面に不備があった。一部の企業、個人が儲け本位で、市場管理の不手際に乗じて、株のヤミ操作、ヤミ取引によって、暴利をむさぼり、一般投資家の利益を損ない、社会的な騒動を引き起こした。そこで、1992年10月、証券監督管理委員会が設立され、上場資格の監視に着手し、市場の正常運営を担保し、一般投資家の合法的な利益を保護する専門機関となった。1999年7月1日『証券法』が施行され、証券市場の健全な発展を図るための基本法となった。

世界第2位の大市場に  

株価の上がり下がりは天気の晴れ曇りと同じように正常なことだ。この20年の間に、中国市場でも「買い相場」と「売り相場」が交互に現れ、5年連続で冷え切った市場に遭遇したこともあれば、威勢のよい市場がずっと続いたこともあった。ジェットコースターのように値動きの激しいローソク足をたどり、多くの投資家に喜怒哀楽をもたらしたばかりか、株神話が生まれた。さらに重要なことは中国企業に融資効果を与え、中国経済の発展に寄与したことだ。今日では、株の出来高は27兆元に達し、世界第2の大証券市場に成長している。

2006年6月、証券監督者国際機構(IOSCO)の執行委員会副委員長に当選した中国証券監督管理委員会の尚福林主席(右)

今後10年で次のステップ  

証券市場の牽引力によって、資本市場の動きも活発化してきた。1993年8月には上海取引所に投資ファンドが参入した。1998年8月、初の転換社債が発行され、2008年、商品先物取引高は世界の3分の1を占め、世界第2位に浮上し、農産物先物取引高は世界第1位になった。歴史の潮流に乗ってスタートした中国資本市場は着実に前進しているのだ。

1998年10月、上海証券取引所とロンドン証券取引所の協力覚書の調印式で、署名を見守る当時のブレア英国首相(中央左)

こうした状況について、上海取引所の張育軍理事長は自信に満ちた表情で「今後10年で中国資本市場は次の大きなステップを踏むでしょう。上海、深圳は香港取引所とともに世界10大取引所に仲間入りします。また、金融大国から金融強国になり、単に大規模な市場というだけに止まらず、競争力を備えた市場になるでしょう」と語っていた。

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