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若芽が巨木に はたちになった中国資本市場

 

WTO加盟へ 15年の道のり

WTOは1995年1月1日に成立され、本部はジュネーブにある。前身は1947年に成立された『関税及び貿易に関する一般協定』(GATT)だった。中国は創設国の1つだったが、歴史的な理由により、新中国の成立後、参加することも連絡を取ることもできなかった。1986年7月、在ジュネーブ中国代表団の銭嘉東大使が中国の締約国の地位の回復を申請した。翌年、GATT理事会は「中国の締約国の地位に関する作業チーム」を設置し、同年10月、ジュネーブで第1回会議を開き、中国のGATT再加入交渉がスタートした。

2001年11月11日、中国加盟を承認するための法的整備を協議したカタールの首都・ドーハで開かれたWTO第4回閣僚級会議(新華社)

米国が加盟支持を明言  

1994年、ウルグアイラウンド終了後、加盟国代表は『WTO設立協定』に調印し、GATTはWTOに移行した。中国は加盟国と精力的に交渉を行い、WTO成立前に主要な締約国と合意に達し、GATT締約国として、スムーズにWTOに加盟することを望んでいた。そのために、中国は農産品、非農産品と関税率引き下げスケジュールの修正案をパッケージとして各締約国に示し、50日以上にわたって交渉を重ねた。しかし、交渉に臨む立場の隔たりが大き過ぎ、1995年のWTO成立時までに、中国のGATT再加入問題は解決できなかった。  

1995年7月11日、中国は正式にWTO加盟を申請した。1999年4月、朱鎔基総理(当時)が米国を訪問し、『中米農業合作協議』に署名し、中国のWTO加盟に関する共同声明を発表した。その中で米国側は「1999年の中国加盟を明確に支持する」と明言した。同年11月、中国対外貿易経済合作部(現在の商務部の一部)の石広生部長が率いる中国代表団は、米国代表団と北京で、6日間の昼夜を分かたない難交渉を経て、最終的に合意に達した。その後、中国はEUなど他の加盟国と協議を行い、2001年9月13日に、最後に交渉したメキシコとの協議を終えた。  

2001年9月17日、WTOの中国作業チームは第18回の公式会議を開き、中国加盟に関する全ての法的文書を採択した。11月10日、第4回ドーハ閣僚級会議での協議を経て、中国加盟を承認、中国は直ちに全国人民代表大会(全人代=国会に相当)常務委員会の批准文書を提出した。WTOの規則に従い、1カ月後の12月11日、正式な加盟国となった。

「改革開放」の里程標  

WTO加盟は「改革開放」政策の重要な里程標だった。1978年、「改革開放」政策を実現するために、国情にあった道を選択したが、多くの困難や挑戦に直面した。しかし、中国政府は多角的な貿易ルールを受け入れる方針を変えず、工業、農業、サービス業や知的財産権など多方面で加盟条件を承認し、2001年、正式に加盟した。中国にとって、これは非常に勇敢で難しい選択だっただけでなく、喜びに値することだ。

WTOに加盟するために高価な入場券を手に入れ、成長に伴う悩みも経験し、今では成熟した対等なパートナーになっている。平均関税率を加盟前の15.3%から9.8%まで下げ、百項目の貿易部門を開放した。また、史上最大規模での関連法の整備を行い、市場ルールの運用法をみならい、安定的で予測可能な貿易制度を確立した。この一連の措置によって、市場の開放がさらに進み、市場意識、法意識や知的財産権の理念に対する人々の理解も進み始めた。

2010年11月、2026社の上場銘柄を掲示したボード

7000億㌦の外資を導入  

この10年間で、中国の輸出額は4.9倍、輸入額は4.7倍、国内総生産(GDP)も3倍に増えた。一人当たりのGDPは当初の800㌦から2009年の2500㌦に増え、平均成長率は10%に達した。さらに、2億人が貧困から抜け出した。この時期に経済発展のひとつの黄金時代を築いたといえよう。  

また、世界とともに繁栄を分かち合った10年だったともいえ、世界の一員として、各国に相互補完と利益をもたらした。昨年、貨物貿易の輸入額は1兆4000億㌦を上回り、世界2位の輸入国となり、世界の貿易総額の10%を占めた。10年間で、中国は7000億㌦余りの外資を導入し、在中投資企業を34万7000社設立した。また、各国は中国の経済建設に参加すると同時に、勢いよく発展する中国市場に参入する機会も得ることができた。今、世界トップ500社の中で480社が中国で業務を行っている。

海外投資は600億㌦に  

このほか、中国自身も海外市場を開拓し、対外投資を実現している。10年前、中国対外投資額は10億㌦未満だったが、2010年にはほぼ600億㌦に達している。また最貧国43カ国の製品に対して関税を免除し、また、95%の輸入商品に対する関税をゼロとしたことなどから、今や多くの国々の最大の輸出相手国になっている。

「中国企業の将来」「中国が世界貿易の拡大に及ぼす影響力」をテーマに、2011年1月にスイス・ダボスで開かれた第41回世界経済フォーラム年次総会(新華社)

今年1月27日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム第41回年次総会で、「中国が世界貿易と経済成長に与える影響力」と題するシンポジウムが開かれた。席上、陳徳銘商務部長は「今後10年間、中国は開放をさらに進め、各国とともに世界の多角的なルールを守ります。また、各国と足並みをそろえた発展をさらに重視し、各国に発展による恩恵を享受してもらいたいと考えています。10年後、中国は世界の最大の消費市場になるでしょう。13億人から14億人の大市場がもたらす商機を世界とともに分かち合いましょう」と、力強く語った。

 

人民中国インターネット版 2011年6月

 

 

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