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人民元のレート調整とSDR組み入れを支持

 

中国人民銀行の周小川総裁は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、8月11日に行われた人民元レートの調整は人民元の市場化という目標に向かう重要な一歩だと説明し、大部分の参加者から評価された。しかし、日本の麻生太郎財務相は周総裁の説明が詳しくなかったとし、人民元レートの調整に対し異論を唱えた。

これについて、大連ダボス会議の「人民元国際化の意気込み」をテーマとした分科会で、日本の有名なエコノミストで元金融相の竹中平蔵氏は次のように述べた。「私は麻生大臣と反対の意見を持っていて、中国政府が今回実行した政策を支持します。それは非常に合理的なものです。しかし一方では、中国の中央銀行がより独立性を高め、資本市場の取引がより自由化することを期待します」

特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元採用について竹中氏は次のように指摘した。「中国経済の規模と貿易量、そして中国のGDP(国内総生産)が日本の2.3倍であること、世界第2位の輸入国であり世界の貿易で重要な役割を果たしていることを考えると、人民元のSDR構成通貨入りは当然だ」。また竹中氏は1990年代に日本円が国際通貨になった後に日本が直面した苦しい問題を紹介した。「日本は当時、全面的な金融自由化政策を打ち出し、多くの経済体に歓迎されましたが、同時に大量の不良債権発生を招きました。そのため、これらの問題を避けるための政策が非常に重要です。例えば透明性の高い情報制度の確立、シャドーバンキングの効果的な処理などです」

また竹中氏は会議後、本誌の取材に応じ、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の加入について、可能性は非常に高いと述べた。竹中氏は次のように説明した。アジア開発銀行(ADB)は早くも2009年、アジア開発のための基金を設立する必要性に注目したが、残念なことにその考えは十分には重視されなかった。しかし中国は今回率先して一歩を踏み出した。竹中氏は同時に、多国間開発機構の運営分野でAIIBは日本の蓄積した豊富な経験を必要としていると指摘した。日本が最終的にAIIBに加入する可能性が極めて高い理由もそこにあるという。(文=本誌記者・王朝陽)

 

人民中国インターネット版 2015年9月11日

 

 

 

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