庶民に身近な16大

 「庶民はどうしてこれほど今度の党大会に関心を持っているのだろう」。この問題について新華社記者はこんな感想を持っている。中国共産党の第16回全国代表大会(16大)の代表を取材しても、親しい友に尋ねても、あるいはインタ―ネットで交流するときも、記者が得た回答はみな一致していた。それは、16大の報告が人民を基本にし、人民の生活に関心を払っている報告だと、みんながそう考えているということだ。またこの報告は、庶民の生活に密着していて、述べられていることはみな、庶民の関心事であり、民意に沿ったものである。

 確かに、16大は国の「長期の戦略」が人民を基本とすることを明確にしている。それは、就業と参政という二つの面の問題にはっきりと現れている。

 就業は、普通の庶民が最も関心を持つ問題である。レイオフされた労働者の再就職は難しいし、大学生卒業生の就職も難しい。農民が都市に出て仕事を探すのも難しい。就業問題はすでに中国社会の大きい難題となっている。

 「就業は民生の根本である」。これは16大の報告が人々に深い印象を与えた一句である。

 16大の報告の中から、就職難を解決する新たな希望を読み取ることができる。

  ・高速で進行している「経済」という列車は、もっと多くの従業員を搭乗させることができる。

  ・非公有制経済の急激な発展は、就業の新天地を切り開く。

  ・第三次産業は、就業の大きい貯水池となるだろう。

 また16大は「更に多くの意見発表の権利が与えられ、更に意見発表のルートが開かれていた」というのが、16大報告の中の民主の問題について代表たちがとくに感じたことである。

 16大報告は次のように明確に提起している。「各クラスの政策決定機関はみな重要な政策決定に関するルールと手続きを整え、社会情勢と民意を反映する制度を確立し、大衆の利益と密接にかかわる重要事項に関する社会公示制度と社会公聴制度を構築し、専門家諮問制度を充実させ、政策決定の論証制と責任制を実行し、政策決定の恣意性を防がなければならない」

 実際に、社会公聴制度はすでに各地区、各業界でだんだんと実施されていて、鉄道の旅客輸送、医療の価格、水道、ケーブルテレビなどの価格の問題についてはすでに公聴会があり、重大な地域的な法規や規則、重大な政策決定の実施前に、立法に関する公聴会が開かれている。社会公示制度もすでに実施され始めており、2003年から広州市は全面的に政府の情報を公開し、政府部門がわざと情報を隠すと処罰される。農村では、村や鎮の管理機関に政務の公聴会があり、「大衆の知りたいことは、これを公開する」ことになっている。大衆は幹部から仕事の報告を聴取して、直接彼らに質問をし、答えを求めるのだ。(本誌翻訳編集)

(『人民中国』インターネット版 2002年11月16日)