「いくらかゆとりのある」生活の実情

 1. 上海人は「カタツムリ時代」に別れを告げた

 上海の『新聞晨報』によると、かつて住宅問題は、上海人を最も困らせる大きな問題だった。1991年当時、上海市民の1人当たりの住宅平均面積は6.7平方メートルしかなかったが、2001年には、12.4平方メートルまで増加した。

 1991年から1992年までの間に、1人当たりの居住面積が2.5平方メートル以下の「特別住宅困窮家庭」の3万2000戸が、新居に引っ越した。そして、1人当たりの居住面積が4平方メートル以下の「住宅困窮家庭」7万4000戸も「カタツムリのような住まい」に別れを告げた。

 1995年、上海は、国連ハビタット(人間居住センター)賞を受賞した。1991年から2001年までに、上海市内で新しく建てられた各種の家屋は2億平方メートルである。そのうち、完成した住宅の面積は1億4000万平方メートルで、新築された住宅はおよそ160万戸である。

 2. 騒音を軽らし、生活の質を向上させた

 『北京青年報』によると、北京市の自動車保有量は、1998年の130万台から現在の182万台まで増加した。そのうち、自家用車は65万台である。

 北京では、道路の建設をはやめ、交通環境を改善することによって、道路の騒音を効果的に抑えることができた。今年2月に工事が始まり、現在すでに使用されている第2環状道路は、北京市で初めて、騒音を軽減できるアスファルト舗装道路である。新しく造られる立体交差橋や都市鉄道、高速道路なども、それぞれの必要に応じて、緑化して騒音を軽減したり、防音壁を取り付けたりするなどの技術的手段よって、あるいはまた、街路に面したビルに防音の窓を取り付けることによって、騒音公害を減らし、居住環境を保護する目的を達成しようとしている。

 3. 長距離旅行も楽になった

 新華社によると、2002年11月、中国の高速道路の全長は2万キロに達し、世界第二位となった。高速道路を幹線とし、国内全ての巨大都市と93%の大都市をつなぐ新しい交通の大動脈が一歩一歩形成された。

 10年前、中国人が遠距離旅行をする際、80%は汽車を選んだ。しかし汽車は、長年にわたりダイヤが固定され、もはや需要を満たすことができなくなっている。この数年、鉄道は3回にわたってスピード・アップを行ったが、その基礎の上に、4回目のスピード・アップを検討中である。
中国の民間航空は、六大集団に再編成された後、大きな意気込みで旅客輸送の市場競争に加わろうとしている。

 自動車の平均時速が30キロという状況は、すでに過去のことになった。高速道路で、北京から上海、山西、山東、東北などの各地へ向かう快速の豪華な旅客用大型バスは、多くの人にとって長距離旅行の際、最初に選択する交通手段となった。
(『人民中国』インターネット版 2002年11月12日)