中国は農村における社会保障制度の確立に取り組む

 労働・社会保障部の張左己部長は昨日、中国の農村における社会保障の現状について記者の質問に答えた。

 農村の社会保障は中国の社会保障システムにおける重要な構成部分である。経済発展の不均衡や地域格差により、農村における全面的な社会保障の実施は非常に困難であり、まだ条件が整っていない。経済が比較的発達した一部の地区では、農村の養老保険制度に向けた取り組みが始まっている。農民が自由意志で自ら出資し、さらに集団経済やコミュニティーの協力によって、養老保険制度を確立するというのは主な方法である。こうした養老保険制度には、すでに全国の農民6000万人が加入している。積立金は216億元に達し、108万の農民が支給を受けている。

 江沢民総書記は報告の中で、「条件を満たした地区は、農村における養老・医療保険と最低生活保障制度の確立に取り組む」と指摘した。いくらかゆとりのある社会を全面的に建設する新しい情勢と要求に応じるため、われわれは出稼ぎの農民や、土地が徴用された農民、農村戸籍が都市戸籍に転換された農民に合わせた養老保険制度の確立について研究しており、今後その制度を徐々にほかの農村人口へと拡大させていくつもりだ。

 今後、中国は次第に新型の農村合作医療制度を確立し、治療を受けられない農村の家庭に補助を与える。主な方法は一人あたり中央財政が五十元を、地方財政が十元を補助するということである。(『人民中国』インターネット版 2002年11月12日)