国務院発展研究センター主任の語る「小康」の目標

 20数年の改革と発展を経て、中国の社会・経済の様相には、深い、歴史的変化が起こった。中国共産党第16回全国代表大会(16大)の代表である王夢奎・国務院発展研究センター主任は、新華社記者の取材を受け、この間の変化を回顧して、その著しい特徴を、以下の3点にまとめた。

 ――国民経済が高速で成長しつづけたことが、国家経済の実力を著しく増強させた。長い間、中国経済の発展と人民の生活を悩ませてきた商品供給の普遍的な欠乏状況は、根本的に面目を一新した。経済の速い成長と同時に、教育、科学、文化の事業および人口、環境、その他の各種の社会事業も、歴史的な成果をかち得た。

 ――改革・開放は、重大で記録的な進展をかち得た。14回党大会では、社会主義市場経済体制の改革目標を確立したが、懸命の努力によってこの新しい経済体制はすでに初歩的に打ち建てられた。対外開放は、閉鎖的、あるいは半閉鎖的な経済体制を開放的な経済体制に改革した。世界貿易機関(WTO)への加盟は、全方位の対外開放が新たな発展段階に入ったことを示しており、また経済体制改革が新段階に入ったことをも示している。

 ――人民の生活は、二つの歴史的な飛躍を実現した。20世紀の80年代には、基本的に衣食の問題を解決し、90年代には衣食の問題から「小康」(いくらかゆとりのある暮らし)の問題になった。きわめて長い間、中国人を困らせてきた食の問題は、中国共産党の指導の下で、根本的に解決した。先祖代々、夢見てきた「小康」の生活が、今日、現実のものになった。
 
 王夢奎主任はとくに、以下のことをはっきり見なければならないと強調した。それは、大きな社会発展の段階から言えば、わが国は現在、まだ社会主義の初級段階にいる。世界的範囲で、他と比べて見ると、わが国は経済全体の規模ではすでに上位に入っているが、国内総生産(GDP)の一人当たりの平均では、1000ドルに達していない。中の下の収入の国の仲間に入ったばかりだ。江沢民同志が報告の中で指摘したように、現在達成した「小康」は、レベルが低く、全面的でなく、発展が不均衡な「小康」である、ということである。

 16大で確立する全面的に「小康社会」を建設するという目標は、まさにわが国の現代化建設の客観的なプロセスと社会経済の発展の段階的変化の実際状況に基づいて、21世紀初頭の20年の中国の現代化建設のために、偉大な青写真を描き、中国が新たな発展段階において引き続き前進する方向を指し示している。  (「新華ネット」より)

(翻訳 「人民中国」翻訳部  2002年11月13日)