隣の家常菜(家庭料理)
うちの社員のご自慢?!手作り料理

       葱油餅
                 写真 文・郭 実

 
 

 本社翻訳部のカク慧琴さんは、中国山西省生まれ。大学に入ってから住み着いた北京に、現在は夫と小学1年生の息子の3人で暮らす。

翻訳部のカク慧琴さん

 山西省の人々は、小麦粉で作った食べ物「麺食」に目がないようだ。小麦粉は彼らの手により、味わい深い郷土料理へと生まれ変わる。たとえば、刀削麺(包丁で生地を削り、ゆでたうどん)、ジュウ片児(薄くのばした生地をちぎってゆでたもの)、コーダータン(すいとん)などである。

 カクさんの幼いころは、母がよく葱油餅(こねた小麦粉にネギを練り込んで焼いたもの)を作ってくれた。当時はあまり食生活が豊かではなく、それだけにごちそうだった葱油餅を食べると「何日も満ち足りた気分になったものです」。

 現代社会は仕事や暮らしのテンポが速く、飲食物もあふれている。コツさんは、母のように葱油餅をしょっちゅう作るわけではないが、それでもたまに作ると、その素朴な味にふるさとを思い起こすのだそうだ。

ネギのみじん切りと
ゴマ油を用意して
生地の表面にゴマ油をぬり、ネギと塩をふりかける
棒状に巻いた生地をねじり上げ
て「らせん」状に押しつぶす
両面をほどよく焼いて

 葱油餅の作り方は、次のとおり。

 @小麦粉は、70〜80度の温水を加え、よく練ってから、20ほど寝かせる。
 A寝かせた生地は、3〜4個に等分する。
 BAは、麺棒で厚さ2〜3ミリにのばしてから、表面にゴマ油をぬり、みじん切りにしたネギと塩をふりかける。
 CBは、手元から巻いて棒状にすれば、ねじり上げて「らせん」状に押しつぶし、それを再び麺棒でのばす。
 Dフライパンにサラダ油を熱し、Cを焼く(3〜4分)。両面にほどよく焼き色がつけば、できあがり。

[ポイント] 

 ★加える温水は、生地が耳たぶくらいのやわらかさになるよう加減する。
 ★ゴマ油は多めに使えば、香ばしさが増し、サクサクとした食感になる。
 ★フライパンで焼く時には、焦がさないよう注意しましょう。

 できたての葱油餅は、切り分けていただきたいもの。キュウリやトマトなどの野菜や粟がゆを添えれば、食卓がさらに豊かになるだろう。

[材料](2人分)
小麦粉……………………250g
温水………………………約 80cct
塩、サラダ油……………各少々
ゴマ油、ネギ、