隣の家常菜 うちの社員のご自慢?!手作り料理


羊の骨付きばら肉のあっさり煮込み

清ドゥン羊排

                          写真 文・郭 実


 



 中国の飲食理論では、羊肉は体を温かくするもので、防寒や滋養強壮に効果的だと考えられている。秋から冬に近づくころは、季節の変化に体を適応させるため、羊肉をたくさん食べるというのが、中国の多くの人たちの食習慣だ。

本社社員のトウ素強さん

 本社社員のトウ素強さんは、少数民族の満州族である。中国の北方に住んだ満州族の祖先たちは、牛肉や羊肉をおもに食した。満州族は清王朝を築き上げ、北京に遷都した後も、その習慣を大切にして食へのあくなき探求を続けたのである。

 満州族の子孫の多くはこの伝統を受け継いできたが、トウさん宅も例外ではない。毎年秋になると、トウさんの家でよく作るという「清ドゥン羊排」は、あっさり味でおいしいし、滋養にもなる。トウさん直伝の作り方は、次のとおり。

 @羊の骨付きばら肉は水でよく洗い、包丁で幅約三センチ、長さ約五センチの大きさに切り分ける。

 A骨付きばら肉を鍋に入れ、ひたひたに水を加えて煮立ったら、約二分間ボイルした後ゆでこぼす。

 BAに鍋半分くらいの水を入れ、斜め切りにしたネギとショウガ、ローレル(月桂樹)をそれぞれ加える。煮立ったら弱火に落として約一時間半(肉がやわらかくなり、骨から離れやすくなるまで)、じっくりと煮込む。

ジャガイモとニンジン、玉ネギは一口大に切る
骨付きばら肉をじっくりと煮込む
羊の骨付きばら肉
ネギとショウガ、ローレル

 Cジャガイモとニンジン、玉ネギは、それぞれよく洗った後、皮をむいて一口大に切る。

 D別の鍋を用意して、骨付きばら肉の煮込みスープを入れてから、ジャガイモとニンジンを加えて十分ほど煮込む。

 E骨付きばら肉を煮込んだ鍋にDのジャガイモとニンジン、それに玉ネギと塩少々を加えて、一煮立ちさせたら、器に盛ってできあがり。

 体をしんから温める「清ドゥン羊排」を、どうぞお試しください。

[ポイント]
 ★羊肉をボイルするAの状態を、中国語では「チャオ」(湯がく)と呼ぶ。羊肉の血抜きをするためで、こうすることで羊肉を煮込むスープがすき通るような美しさになる。

 ★羊肉を煮込む鍋に、ジャガイモとニンジン、玉ネギを直接加えてもよいが、Dのように野菜を分けて煮込むと、形がくずれず、できあがりが美しい。

[材料](3人分)
羊ばら肉……………… 750g
ジャガイモ………………2個
ニンジン…………………2本
玉ネギ……………………1個
ネギ、ショウガ…………各適量
ローレル…………………2〜3枚
塩…………………………少々