北京市海淀区永定路に住む趙玉学さんは、小さな食堂「紫雲餐館」を経営している。この食堂はもともと、ギョウザと炒め物料理で成功し、その後、オーナーの趙さんが山西省出身ということで、山西省の特色料理であるあんかけ麺や同地の家庭料理をメニューに加えた。本場の味に常連客も大満足で、ますます繁盛している。  
 紫雲餐館に入ると、すぐに趙さんが歩み寄って、笑いながらあいさつを交わすため、何度か足を運べばすぐに親しくなる。趙さんは実年齢よりもずっと成熟して見え、そんな容貌から、常連客はみんな、「趙のアニキ」と呼んで慕っている。  
 暇な時間があると、トランプで遊んだり、軽音楽を聞いたり、友達とおしゃべりして過ごす。ただ、食堂の営業時間は非常に忙しく、閉店は夜遅くになるため、睡眠不足のことも度々だ。

  【AM10:00】 
  起床後にまず、テレビをつけて国内外のニュースをチェック。三十分ほどで準備をして家を出る。歩いて五分で紫雲餐館に到着。厨房での仕込みの進行状況とホールの衛生状況を確認。スタッフと二言、三言交わし、仕事を確認。
 
  【AM11:00】 
 営業開始と同時に来客があり、忙しくなる。ホールと厨房を行き来し、スタッフの仕事振りを確認。注文が入ってから料理がなかなか出てこなければ、急いで厨房に催促に行く。ホールの人手が足りなければ、自ら接客し、注文取りや勘定を担当する。常連客が来ると、笑顔満面、あいさつを交わし世間話に花を咲かせる。
 
  【PM2:30】 
 毎日決まった時間に、というわけにはいかないが、客足が途切れた時に、スタッフと一緒に昼食。ただ、前日の晩に打ち合わせが長引き、睡眠不足の時などは睡魔に襲われ、小部屋で昼寝。夕飯時の忙しい時間帯までの小休止。
 
  【PM3:00〜PM4:30】 
  近所の商売仲間と一、二局将棋を打つ。将棋の腕はたしかで、仲間内で有名な名手。
 
  【PM5:00】 
  日曜日のため、午後の来客は少なく、早めの夕飯を済ます。メニューは、トマトとタマゴのあんかけ麺。
 
  【PM7:00】 
 接客の合い間に、味やサービスについて意見を聞いてまわる。
 
  【PM8:00】 
 夕飯時の忙しい時間を乗り切り、隣りの茶屋の阿建とお茶を飲みながらおしゃべりして、一息つく。時々食堂に戻って様子を確認。向かいにある小さな本屋で立ち読みして時間をつぶしたり、近所の同業者の客入り状況を偵察することも。
 
  【PM11:00】 
  最後の客が帰った後、趙さんが全スタッフを集め、一日のサービス、仕事を総括。味の再評価、総売上の報告など。
 
  かばんの中身を
ちょっと拝見!

この種の皮製のバッグは、経営者としての立場を象徴している。バッグからある程度、その人の立場を知ることができる。
食堂経営者にとって、電卓は欠かせないツール。
携帯電話がなければ、仕事も私生活も成り立たない。同業者や仕入先などとのやり取り、家族、友人との連絡に大活躍。
タクシーの領収書(精算用)。仕入れなどでは、よくタク シーを利用する。北京のタクシーは初乗り10元で、一番 安いタイプなら、4キロ以上は1キロ1元2角で、市民に も割安感がある。
使い捨てライター。1個1元程度。
小熊猫(パンダ)タバコは1箱30元。安いタバコなら、1箱数元で買えるため、かなり贅沢な消費。
病歴カード1枚(SARS騒ぎの後、持つようになった)
消炎予防薬(20元)。店のやりくりで、ノイローゼ気味に なりやすく、疲れがたまるとのどが腫れるため、常に予防 薬を携帯している。
 

プロフィール
1965年、山西省陽泉市生まれ。両親に連れられ、6歳で北京に引越。1991年、北京市百花靴工場を退職し事業を始める。2000年、飲食業を開始。3人兄弟の長男。両親、専業主婦の妻(出産前は中外合弁会社に勤務)、6歳の息子の5人家族。現在、2人の弟も北京で働く。