チャイナスコープ

博鰲アジアフォーラムで、
アジア全体が「勝ち組」を目指す
                   

 2003年11月2、3日、博鰲アジアフォーラムの第二回総会が、海南省・博鰲で開催された。千人以上のアジア内外の政界の要人、学者、ビジネス界の人士が集い、「アジア全体が勝ち組になることを目指し、共同で発展を促進する」をテーマに広く意見交換を行い、交流を深めた。

 SARSの影響により、アジア経済の一体化の推進を中心テーマとする総会は半年延期となったが、東アジア首脳によるバリ島会議、バンコクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)などの関連会議に呼応し、アジア全体が経済協力によって共同発展していくテーマの実現について意見を交換した。

 総会では、中国国務院の温家宝総理が、平和、安全、協力、繁栄という、中国のアジア政策目標を提示し、協力を強め、発展を促進し、全体が勝ち組になることこそ、アジアの成長と振興のために取るべき道であり、アジア人民の基本的利益のよりどころであると述べた。また、中国は今後も世界の平和と発展に力を尽くし、永遠に覇権主義をとらず、アジアの成長と振興に新たな貢献をしていくと話した。

 シンガポールのゴー・チョクトン首相は、アジアは今世紀の経済成長の新しい中心で、世界でもっとも活力ある経済体であり、中国はその中心として、インド、ベトナムなどとともに、経済のグローバル化の中で、重要な役割を果たすだろうと述べた。

 世界銀行の孔傑忠副頭取は、中国は20年以上の「改革・開放」により、急速に世界での地位を上げ、その発展が今後もアジア各国にさらに多くの機会と目に見える利益を与え、中国は各国と共同で、永遠の平和、普遍的に繁栄する「新アジア」を築いていくだろうと述べた。

 人民元の為替レート問題について、日本の元大蔵省財務官で、「ミスター円」と称される榊原英資氏は、ためらいなく、人民元の切り上げは大混乱を引き起こす可能性があると述べた。

 また、メイド・イン・チャイナの問題について、一部の専門家は、目下の中国は、いまだ産業連鎖の一部分にすぎず、世界工場の作業場の一つであるとの考えを示し、中国と世界各国・地域との協力により、初めて全体が利益を享受できると述べた。

 一方でインドネシア国際戦略専門家研究センターのマリエラ・パンゲツ博士は、中国の製造業の成長にともない、その他の地域及び経済体が保護主義をとることを戒め、専門的な分業、中国の製造ネットワークへの参与により、中国からの輸入を利用すべきであると述べた。

 博鰲アジアフォーラムは、2001年2月27日に成立したアジア全体を代表する唯一の非政府国際組織であり、世界経済発展のために、欠かすことのできない力になりつつある。(文・張春侠)