『瞭望東方週刊』
 新政一周年

            
 

 2002年11月14日午前、温和で上品なイメージの胡錦涛氏と、8人の中国共産党中央政治局常務委員会の新メンバーが、人民大会堂のスポット・ライトの前に現れた。この時全世界が、革命戦争後に育った新世代が、地球上の5分の1の人口を擁する中国をどこへ向かわせるかに思いを巡らせた。

 新政が政治の舞台に登場して1年以上が経った。この間中国は、SARS危機、淮河の大洪水、人民元レート切り上げ問題、台湾独立問題など、10の危機に見舞われた。しかし一連の対策をとり、人民の利益を第一に考慮することで、一つひとつ問題を解決してきた。

 そして人々は次第に、「新政府」の特徴を理解しはじめた。「新政府」は、民衆の評価を施政の基礎とし、実質的な成果を施政の出発点とし、清廉潔白で公明正大な政治を政治道徳の最低の要求としている。

 省・部クラス(ともに日本の省庁に当たる)の指導者の交替が終わり、新たな指導者層は、さらに重要な改革の具体的な計画を立て、第16回三中全会では、一連の政策綱要を提出した。現在、安定的な舵取りを実現している。


『生活週刊』 中国の普通の娘から「エンジェル」へ

 

 2003年11月15日夜、女子バレーボール中国代表が日本代表に勝ち、11戦全勝で、ワールドカップで17年ぶりに世界チャンピオンに輝いた。多くの選手が涙を流し、陳忠和監督が選手たちのもとに駆け寄ると、すぐに胴上げが始まった。

 このようなシーンは、17年前の喜びや興奮と何ら変わりはない。今回のチーム作りで陳監督は、かつて中国バレーを世界一にした元監督・袁偉民氏(現国家体育総局局長)のトレーニング法を一部引き継いでいる。国家体育総局バレーボール運動管理センターの徐利主任は、17年間、スポーツとしてのバレーは実社会とともに変化してきたが、「中国バレー」はいまだに、「あきらめないチームプレー精神」などの様々な偉大な伝統を受け継いでいると見ている。

 17年前のチームと異なるのは、いまの20歳前後の選手たちが、自分に対する自信、誇りを堂々と表現し、高いプロ意識を持っていることである。1960年代に主力のセッターとして活躍した董天豁氏は、「当時の成功は、チームとして世界から認められたいという欲求表現の結果だったが、今回の世界一は、自己実現と自己証明の追求から実現した」と述べた。


『経済』 中国私営企業経営者の階層分析

 

 国家商工行政管理総局の統計資料によると、登記された中国の私営企業が納めた商工業税額は、1993〜2002年の間に10億5000万元から945億6000万元に増加し、10年で89.1倍となった。1996〜2001年の5年間で、私営企業の従業員数も2倍近くになり、国有企業、集団所有制企業が人員削減を進める中で、従業員の純増加数が、2368万2000人となっている。

 中国の階層細分化の過程で、私営企業の経営者という新しい層が形成されただけでなく、急速に規模が拡大している。しかし、強い経済的影響力と比較して、政治、社会分野への影響力は小さい。それが最近では、同階層の意識が高まり、自主的に政治分野に意見を反映させる意図が感じられるようになってきた。

 このような社会状況を検討すると、私営企業経営者層の政治的な要求意識は、この階層全体のものとなりつつあることがわかる。彼らが経済分野で取ってきた手法が、規範的ではない多くの問題を抱えながらも、政治、社会分野でも、驚くべき創造性と生命力を発揮している。