チャイナスコープ
資本市場のさらなる開放
より大胆な規制緩和で
 


 中国の資本市場は、経済体制の改革とともに発展してきた。当初は改革が不完全で、制度上の不備もあったため、規範的ではない介入、不健全な制度の存在など、水面下の問題と構造上の矛盾を生み、市場機能が有効に働かない状況を作り出していた。

 資本市場の安定発展を促進するため、国は『資本市場の改革開放と安定的な発展を推進することに関する国務院の若干意見』を発布した。

 『意見』は、「市場原理を尊重」し、「市場の安定と発展に益すること」から出発すること、上場済みの国有企業株の流通を規制している問題を「着実に解決」すること、国有資産の流失を防止し、投資家、特に個人投資家の合法的権益を十分に保護することをうたっている。

 また、証券の発行と上場を審査認可する制度を完備し、一部の上場企業が上場を重視するあまり体制転換を軽視し、資金調達を重視するあまり利益を軽視している状況を変えさせ、上場企業の全体的なクオリティーを高めることを強調している。

 同時に、証券投資ファンドの発展に引き続き力を注ぎ、保険資金が各種方法で直接的に資本市場に投入されることを支持し、社会保障ファンドやビジネス保険資金などが資本市場に投入される割合を次第に高める。

 そのほかにも、適格な海外証券機構の持ち株証券会社やファンド管理会社の設立を奨励し、効果を上げているQFII(指定国外機関投資家)制度を引き続き試行するとしている。市場原理と国際慣例に従う前提で、中央政府も中国企業が海外で証券を発行し、上場することを支持している。

 また、資本市場の資源配置における基礎的作用を強調しているが、これはある意味で、中国の金融体制改革に適応するモデルと構想を模索しているといえる。そのため、中国資本市場の「第二の革命」と言う人さえいる。

 『意見』では、「資本市場の発展に力を入れることは、重要な戦略的任務であり、中国が21世紀の最初の20年で、国民経済の四倍成長を実現するために重要な意義がある」と明確に記している。

 これは今後20年の金融体制改革のプロセスで、資本市場の建設が最重要課題になることを表している。最近の数年間、資本市場には水面下の問題や構造上の矛盾があったが、これらは、資本市場が絶えず発展する過程でのみ徐々に解決できる。

 そして『意見』では、多くの根本的な問題の解決のための方向性や目標が明確に示された。これは、中国資本市場が混沌とした環境を抜け出し、安定的発展の新しい段階へ歩み出す道しるべとなるだろう。(2004年4月号)