【顧さんの一言 「毎日大変だけど、家族の支えがあるからやっていける。自分の仕事が好きだし、カモメもかわいい。やることすべてに意義があると思っている」

 

  顧彬さんは1971年、開発支援のために転勤した両親に連れられて、北京から雲南省に引っ越し、以来ずっと同省で暮らしている。かつては雲南省備蓄局で働いていたが、退職して商売をはじめた。

 99年のEXPO (昆明世界園芸博覧会)以降、フラワーパークの池の管理を請け負っている。個人で数十万元を投資して育てた日本のニシキゴイは大人気。次の夢は、日本からニジマスを購入して育てること。

 資料によると、八四年以降、カモメの群れがシベリアから、一年中春のような気候のために「春城」と呼ばれる昆明に、越冬に来るようになった。顧さんは2001年から「カモメとの交流」をはじめ、次第に友達のような関係になった。人間付き合いと何ら変わらないとか。


【AM7:00】
【AM9:20】
【AM9:50】
【AM11:00】
【AM11:25】
【PM12:30】

【PM1:00】

【PM6:20】
【PM6:40】
【PM8:00】
 

AM7:00 
 家族三人で自宅近くの五華体育館へ。息子は体育専門高校に通うテニス選手。顧さんの技術は高くないが、心も体もリフレッシュ。

AM8:00
 息子からサーブのフォームを直してもらう。


AM9:20
 朝市でパンケーキ(二百五十グラム、四元)とカモメのエサにする小魚(五百グラム、三元)を買う。

AM9:50 
 バスでカモメ保護協会へ。カモメのエサにするパン(二・五キロ、四十元)を買う。同協会のスタッフが自転車でバス停まで見送り。

AM10:20    
 バスの中で新聞『春城晩報』を読む。毎日合計で、三時間以上バスに揺られる。

AM11:00 
 フラワーパークに到着。小魚を干して、乾燥させる。

AM11:25  
 数日前にケガをしたカモメの飛翔を見舞う。飛翔の名は顧さんがつけた。「早く元気になって、飛翔できるように」と。釣り人に会員証を発行し、会費を徴収。

PM12:30
 今日の昼食はお茶とパンケーキ。

PM1:00 
 午後の仕事開始。池の稚魚にエサを与え、発育状況を観察。パーク内のすべての池の衛生管理も顧さんの仕事。もっとも大きなのは、浮いているゴミをすくい取ること。一日に四時間以上も歩き回る。かつて雇ったアシスタントは、すぐに辞めてしまった。

PM4:00前後
 休憩。ゴムをくくりつけたボールを打って、一人でテニスの練習。

PM5:20
 休憩しながら「食事」に来るカモメを待つ。頭の上にとまるカモメも。

PM6:20  
 顧さんが小魚をくわえ、カモメに空中停止の難しい姿勢をとらせることに成功。

PM6:40 
 魚の重量で料金を徴収。水面に異常がないか確認した後、帰路につく。

PM8:00   
 妻の両親のアパート近くの雑貨屋で数本のビールを

 

 

 

 
 
かばんの中身を
ちょっと拝見!
  50元前後のリュックサック。1年に1回程度買い替えるため、安めの ものを使う。  
  電話帳。3〜4年使っている。
 
  フラワーパークでの個人営業許可証。入園証を兼ねる。  
  名刺と身分証明書をはさんだノート。  

  釣り料金の支払い証明書。  
  使って3年になるノキアの携帯電話。  
 
 
リンゴとチョコレート。ビタミンとカロリー補給のために毎日食べている。
 
 
消毒薬と消炎薬。自分とカモメのために準備。
 
  白テープと黒テープ。釣り客が必要な際に提供する。  
  4元で買った250gのパンケーキ。  
 
  フラワーパークの池の釣り会員証。  
 

【取材日:2004年1月23日(金曜日)(旧正月2日)、取材場所:雲南省昆明市】


プロフィール
1959年生まれ。本籍は安サユ省。通信教育で大学専門学校機械学部を修了。現在、1999年にEXPO'99(昆明世界園芸博覧会)が行われた雲南省昆明世界園芸博覧園(フラワーパーク)の池の管理を請け負う。釣り会員の会員費のほか、釣り客が釣った魚の重量で料金を徴収して経営を成り立たせる。ペー族の妻・陳婉容さんと17歳の息子・顧穎明くんの3人家族。