メディアフォーカス MEDIA FOCUS

『中国新聞週刊』

根無し草の新市民

 1980年代、農村から出稼ぎ労働者が都市にどっとなだれ込んだ。それから20年以上たった今、彼らはすでに世代交代している。現在、都市部における外来の労働者は1億5000万人に達し、そのうち新しい世代は1億2000万人を数える。
 
 新世代の外来労働者は、流行のファッションをし、都市部の若者たちとほとんど変わらない。都市にやってくるのも、お金を稼いで家計を助けるためではなく、よりよい生活を追求したいからだ。

 外来労働者は、加工業とサービス業に従事することが多い。深セン市の2004年財政収入の80%は、彼らの貢献による。しかし、戸籍などさまざまな制約により、彼らは都市住民にはなれない。そのため、住居や子どもの教育など多くの問題に直面せざるをえない。それが、スラム街の増加や犯罪率の上昇につながり、都市にプレッシャーを与えている。

 これにより、都市の農村移住民の受け入れ問題は厳しい局面に陥っている。そこで政府は、公的資金の投入を強化するだけでなく、彼らが教育や社会サービスを享受できるよう支援している。農民が都市へ来ることは、都市化のプロセスにおいて避けられない。中国は今、開放的な気持ちと政策で、都市住民と外来労働者の双方に利益をもたらそうとしている。


『新民週刊』
透明性のある慈善事業

 善良さや思いやりを体現する慈善を、中国社会の各界の人々は重要視し、高く評価している。しかし、中国の慈善事業の発展は先進国にはまだ及ばない。中国人は決して思いやりに欠けているわけではなく、寄付者の慈善団体の資金管理に対する認識が不足しているのだ。思いやりの気持ちが「不透明な慈善」に束縛されているのである。

 この問題について、国務院は2004年、『基金会管理条例』を公布し、慈善団体を「非営利性社団法人」として、現職の国家公務員はその責任者になってはならないと規定した。

 また、財政部は05年1月、『中国民間組織会計準則』を公布し、財務監査報告は公開しなければならないとしたため、慈善団体は財務を透明にするという規定と制度を設けた。現在、政府、マスコミ、社会の3方面で監督システムが形成されつつあり、透明性のある慈善事業の発展を促進するのに効果的である。

 管理メカニズムは慈善事業を透明にした。さらに、慈善事業を法制化、正規化の軌道に乗せ、寄付者からの信用も得た。ある専門家は、民間の慈善団体の成長は中国の社会管理がより緩やかになったことを意味し、経済開放に継ぐ、もう一つの改革の波であると指摘している。


『瞭望東方週刊』
なぜ公務員になりたいのか

 政府機関で働きたいと考える若者が増えている。彼らの理想は、各部・委員会(日本の省庁に相当)の公務員になることだ。2001年、国家公務員試験の受験者は全国で3万人余りだったが、今年の出願者は36万5000人に達している。10倍以上だ。採用人数は1万282人なので、平均倍率は35倍。倍率が2000倍を超すポストもある。

 ある就業調査によると、調査を受けた若者の43%は、政府機関や国有企業が理想の職場だと考えている。公務員の将来性、福利、退職後の養老は比較的整ったシステムが形作られているからだ。北京市は04年、公務員給料改革を実施し、5万人以上の待遇がさらによくなった。

 もっとも重要なことは、今の政府機関の仕事のやり方は、かつてのように散漫で低効率なものではないことだ。公務員は自分の仕事に自信を持って問題に立ち向かい、進取の気性に富んでいる。また、公務員試験への参加には、戸籍や性別などの制限がなく、全国の若者たちに公平な競争の機会を与えている。

 熾烈な競争は、政府機関が優秀な人材を選抜するのに有益だ。そして公務員たちの知識化、専門化、若年化は、政府の政策決定とサービスのレベルの向上を促進する。


 
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