北京ウォッチングN 邱華棟=文 劉世昭=写真
 
選択肢豊かなグルメ都市
 
 
 
「マクドナルド」と四川料理のレストランが隣り合う。客足はどちらも好調

 新しい店舗をオープンさせるファーストフード店が増えている。各ファーストフード・チェーン店の発展を地図上に示すと、多くの地区に広がる店舗は、美しいチェーンのようにつながる。

 北京のファーストフード店の発展は目覚しい。これらのファーストフード店はおもに、外国式と中国式の二つに分けることができる。
 
 米ファーストフード店の「マクドナルド」は、すでに百店舗以上のチェーン店がある。「ケンタッキー」はそれにつぎ、70店舗余りだ。しかし、鳥インフルエンザの影響により、最近は鶏肉を食べたがらない人も多い。外国式のファーストフード店はほかにも、ピザの「ピザハット」、ホットドッグの「A&W」、それに「ロッテリア」や「Lejazz」などがある。中国式のものはおもに、「半畝園」「香妃烤鶏」「北京牛肉麺大王」「上海栄華鶏」など十数種類ある。

 なぜファーストフードが出現したのか?それは、都市の人々の生活リズムが速くなり、以前のように数時間かけてフルコースの食事をとる人が少なくなったからだろう。ファーストフード店はスーパーマーケットと同じで、すばやく一応の食事をとりたいという人々の要求を満足させることができるのだ。
 
 ファーストフード店は、現代都市の街角風景を象徴するものの一つである。起源はアメリカ大陸にあるが、今では全世界にあまねく発展している。そのうえ、中国式ファーストフードの誕生まで誘発した。

「全聚徳」は北京で最も名高い飲食ブランド。北京ダックが有名で、すでに140年近い歴史がある

 人々の生活と愛情が「ファーストフード化」してしまえば、食事だってもちろん「ファーストフード化」する。ファーストフードの特徴は、適当にセットになっていて、手軽なこと。はやければ、一食を数分で食べ終えることができる。
 
 北京は飲食天国だ。どんなレストランを開いても、パーセントは儲かる。北京の飲食スタイルは、早くから「全国化」「国際化」している。伝統的な北京料理は現在、全聚徳の北京ダック、倣膳(宮廷料理)、譚家菜(官府料理)、北京焼肉、羊肉のしゃぶしゃぶ、そして小吃(軽食)しかない。しかも、こういったレストランは北京の全レストランの十分の一にも達しない。
 
 北京にはファーストフード以外にも、各種のおいしいものが揃う高級な「美食城」(レストラン)がある。「城」というからには、さまざまな料理が集まっていなければならないが、北京では、市外に出なくても世界各地のおいしいものが食べられる。これはけっして誇張ではない。

 「マキシム」は豪華で本格的なフレンチの名店だ。ほかにも、正統なロシア料理の「モスクワレストラン」、アメリカ料理の「カルフォルニア焼肉」、韓国料理の「ソラボル」、ベトナム料理の「西貢苑」、アメリカ・メキシコ料理の「テキサンバー&グリル」、イタリアンの「アドリア」、それに日本、タイ、ブラジル、ドイツ、スイス、インド、ミャンマーなど、三十数カ国の食がある。
 
 北京の食はまた、すでに「全国化」している。北京料理のほか、清真(イスラム教徒のための豚肉やラードを使わない料理)、広東、陝西、山東、四川、湖南、蘇州、淮揚(江蘇)、三晋(山西)、雲南、河南、新疆など、いくつかの大きな系統の料理および地方の特色料理のレストランがあり、美食を楽しむうえで、他に類がないくらい豊かである。

ウクライナ料理のキエフレストラン

 北京の包容性は、飲食に対する態度によく表されていると言えるだろう。北京では、何を提供するかに関わらず、レストランができれば誰かが食べにいく。北京の「全国化」と「国際化」の程度は、中国の都市の中でトップレベルだが、それも飲食の面で体現されている。
 
 深センや広州などの南方の都市では、本格的な西洋料理はあまり人気がない。これは、広東省などが自ら閉鎖的な食文化を作ってしまい、そのうえ、香港の影響を受けているため、「広東料理が一番」だからだ。北京はこれとは異なり、欧米・アジア各国の食文化を直接受け入れている。しかも、商売はすべて順調だ。


 
 
邱華棟 1969年新疆生まれ。雑誌『青年文学』の執行編集長、北京作家協会理事。16歳から作品を発表。主な著書に長編小説『夏天的禁忌(夏の禁忌)』『夜晩的諾言(夜の約束)』など。他にも中・短編小説、散文、詩歌などを精力的に執筆し、これまでに発表した作品は、合わせて400万字以上に及ぶ。作品の一部は、フランス語、ドイツ語、日本語、 リ国語、英語に翻訳され海外でも出版されている。  
 

 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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