チャイナスコープ
「百年の大計は、教育にあり」
農村の義務教育費、全面免除始まる
                                       張春侠

農村の義務教育費の免除が行われれば西部地区の子供たちも、多くの教育の機会を持つことができる(写真:魯忠民)

 「中国の農村で、一番大きく、一番根本的な問題は教育です。国はできるだけ早く、農村の義務教育経費保障メカニズムを築き、農村の1人1人の子供たちが教育を受けられる機会を作らなければなりません」

 3月に開催された「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)で、長年、幼児教育に携わってきた孫淑君代表はこう語った。

 今年1月、彼女の調査によると、農村の小学生の数は、全国の小学生数の75%を占めるにもかかわらず、教育にかける公的な費用はわずか48%に過ぎない。中学の教育経費にいたっては、29%である。

 1986年、中国は『義務教育法』の実施を開始し、小・中学生に学費免除の9年制義務教育を行うと定めた。しかし財政的保障に欠け、この政策は農村、とりわけ貧困地区での実施が難しく、多くの学校が、学費よりはるかに高い様々な雑費を学生から取らざるを得なかった。

 教育費は、農村家庭の重い負担となり、農村の子供たちを中途退学に追いやる原因の一つにもなった。2004年、農村の小学生の中途退学数は、10人に約2.5人で、中学生は約4人だった。この問題は、経済発展が相対的に滞っている中西部地区では特に顕著だ。

 農村の義務教育は、今までずっと社会が注目してきた問題で、政府も様々な対策を用いて解決にあたってきた。2005年には、592カ所の貧困扶助開発重点県の貧困家庭の学生に対して、教科書・副教材代や雑費を免除し、寄宿生の生活費補助を始めた。

 今年の「両会」の期間、温家宝総理は、今年から2年間で、農村の義務教育段階の小・中学生に対して、学費と雑費の免除を始めると発表した。今年はまず西部地区で実施し、来年は中部や東部にも広げる。それとともに貧困家庭の学生に無料で教科書を提供し、寄宿生の生活費の補助も続けていく。また、順次、中央と地方が、農村義務教育経費を分担する保障メカニズムを作り上げ、今後5年、国家財政の義務教育経費を、合わせて2182億元増やす。

 百年の大計は、教育にある。中国が、農村の義務教育費の免除を実施すれば、国民の資質を高め、都市と農村の格差を縮小することに大きな影響を及ぼすだろう。それは同時に、社会主義の新農村建設のしっかりとした基礎を固めることになるに違いない。



 
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