メディアフォーカス MEDIA FOCUS
『瞭望東方週刊』
中国の躍進と西部開発

 20年来、中国の総合的な国力は大幅に上昇したとはいえ、先進国との間には、まだ大きな開きがある。中国国内でも、西部地区と東部先進地区との間には、非常に明らかな格差がある。今後、西部地区が先進地区に追いつくことができるかどうかが、中国発展のスピードと質を決定するだろう。
 
 西部地区は天然資源が豊富で、石炭の埋蔵量は全国の60%以上を占め、新疆ウイグル自治区に埋蔵されている石油と天然ガスは、中国内陸にある総量のそれぞれ25.5%と27.9%を占める。国内にある12カ所の大規模な水力発電所のうち、7カ所が西部地区にある。
 
 1999年西部大開発の戦略実施が打ち出されて以来、中央政府は西部地区に8500億元を投資し、水利センター、幹線道路、鉄道、飛行場など60の重点プロジェクトの建設を行った。
 
 1999年から2002年、西部地区12の省・自治区・直轄市の全体の固定資産投資増加率は、4年連続で全国の平均水準を上回った。2004年は、再び全国の平均水準を上回る26.8%の増加率に達した。今後5年の発展計画でも、西部地区は、経済成長の目標を高く調整している。
 
 温家宝総理は、「西部大開発は、中国の近代化建設の全過程を通して行われる」と指摘している。そのため西部地区の経済や社会発展の歩調を遅らすことはありえず、西部地区の4億人の生活をより豊かにする既成目標は、変わることなく続けられるであろう。


『中国新聞週刊』
『物権法』をめぐる論争

 今年開かれた全国人民代表大会(全人代)の会議で、『物権法(草案)』は審議の対象にならなかった。それは、『物権法(草案)』について社会に意見を求めた際、反対の意見があったからだ。

 北京大学法学院の鞏献田教授は、その草案に異を唱えている代表者である。彼は、『物権法(草案)』のいくつかの条項は『憲法』に違反し、『憲法』の中の「社会主義の公共財産は神聖不可侵である」という原則に反するもので、「私有財産は神聖不可侵である」という部分を強調しすぎていると考えている。つまりこの草案は貧富の格差を前にして、公平の着眼点を労働ではなく資本に置いているため、非合法な所得を合法化してしまう恐れがあるのではないかと懸念している。

 中国人民大学法学院の王利明教授は、『物権法(草案)』の起草者の1人である。彼がこの草案に、国家財産が神聖で不可侵であることを取り立てて書き入れなかったのは、国家財産の前に、個人財産の保護が差別されるのではないかという誤解を心配したからだと説明する。合法的な手段で富を得ることを奨励し、また、その富が法律によって守られ、安定した社会秩序が保たれるために『物権法(草案)』を起草したと、王教授は言っている。

 『物権法(草案)』に関する論争はまだ続いているが、今回の立法過程で行われた、市民に公開して意見を聞くという方法は、人々から評価されている。この草案は改正後、再び全人代に提出され審議される。


『南風窓』

いかに建設するか新農村

 1949年、新中国成立後、国は農業からの原始的蓄積によって、都市の重工業を発展させる政策を採り、都市と農村を切り離す戸籍管理制度を実施してきた。だがこの戸籍制度は、都市と農村の発展が不均衡になるという後遺症を残した。

 改革開放以降も経済発展は、今まで通り、都市は農村から資源を汲み取り続けている。そのため、中国の現代化が世界の注目すべき成果を挙げたと同時に、発展レベルや住民の収入をめぐって、農村と都市の間には大きな格差が生まれた。

 2004年の時点で農村人口は、中国総人口の58.2%で、農業従業者数は、中国の就業者総数の46.9%を占めている。しかし農業の生産額は、GDPのわずか13.1%に過ぎない。

 現在中国が、農業、農村、農民の発展問題を解決するためには、農村のインフラ建設への投入を増やし、一部農民を都市住民にすることで、農村人口の総人口に占める割合を減らすことがカギになる。

 『第11次5カ年規画』の発展要綱には、「社会主義新農村の建設」の方針が打ち出された。そのねらいは、国家財政の配分を新たに調整することで、農業資本不足の問題を解決し、農村の生産と生活の条件を改善し、農民の医療、教育、交通などの公共サービスのレベルを引き上げることにある。また、各都市の政府は、出稼ぎ農民の合法的な権益を保障し、都市と農村が連携した労働力市場を作って、出稼ぎ農民が都市建設に全力を尽くすことができるようにするところにもある。

 

 
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