メディアフォーカス MEDIA FOCUS
『中国新聞週刊』
巨大化する国有企業

 1980年代、中国は国有企業の改革を始め、効率の低い多くの中小の国有企業が淘汰された。残った国有企業は、90年代の大規模な機構再編成と制度の改革によって、企業の経営管理メカニズムも改善され、効率もいくらか向上した。

 ここ数年、石炭、石油、鉄鋼を含む原材料や、電力などのエネルギー価格の絶え間ない上昇によって、これらの分野の国有企業は大きな利益を得ている。

 現在中国には、国有の大型石炭生産基地が13カ所あり、石炭の年産量は11億トンに上る。国有企業は、発展のスピードを速め、2010年までに年産17億トンの達成を計画している。それは、全国の石炭総生産量の78%を占める。

 中国石油天然ガス集団公司、中国石油化工股フン有限公司、中国海洋石油総公司を主とする国営石油グループも、民間企業を買収し始めている。こうした動きは、資源と原材料を供給する業界で、大型の国有企業に様々な資源が集中する、新しい「国有化」の現象が現れ始めたことを示している。

 このような現象は、大型の国有企業が自らの競争力によって、発展を拡大した表れであり、国のマクロコントロール政策と産業政策を実施した結果でもある。

 これは国の資源開発と保護に、積極的な役割を果たしている。しかし国有化が巨大化することで、同分野の民間企業の発展が抑えられ、競争力の弱化につながる。そして国有企業独占の拡大は、社会資源の利用効率低下をも招きかねない。


『三聯生活週刊』
待ち望んだチベット鉄道

 1942キロに及ぶ、西寧とラサを結ぶ青海・チベット自動車道路が建設されたのは1954年。長い間、チベット自治区と中・東部地区をつなぎ、世界最高の標高にある道路を通って、チベットに入る物資の85%、チベットを出る物資の90%が運ばれてきた。

 半世紀が過ぎた今、この道路を使った輸送は、チベットの発展に追いつかなくなった。そして、チベットまで鉄道を敷くという、人々の長年の願いは目の前に迫っている。

 しかし鉄道建設には、標高5000メートルの高山と、幅12キロの谷間を越えなければならないなど、大きな課題の解決と、特別な地理や気候による、凍土地帯での作業の困難を克服する必要がある。そのためかつて国内外では、鉄道建設に対して疑問を呈した者も少なくなかった。

 2001年6月29日、長期の科学実験と詳細な調査、測量、設計により、青海・チベット鉄道の延長1142キロにおよぶ、ゴルムド―ラサ区間の建設が正式にスタートした。

 5年間の刻苦奮闘により、2006年7月1日、世界から注目されている青海・チベット鉄道の全コースの試運営が始まる。そしてその日は、チベットに鉄道がない歴史に終止符を打つ時でもある。

 チベットの人たちはこの鉄道を「幸せの道」と呼ぶ。それは鉄道の開通が、チベット観光業の成長率を30%高めるだけではなく、チベットの人々の生活に大きな改善をもたらすからだ。


『瞭望東方週刊』

「一人っ子世代」

 子供が生まれて、父親になったばかりの26歳の陳銘さん。しかし陳さん夫婦の生活スタイルは、子供ができる前と何も変わらない。

 毎日仕事から帰ると、両親が用意した食事をとり、趣味を楽しんでリラックスし、子供の世話は両親に任せている。

 「息子のために孫の面倒をみるのはいいのですが、私が心配しているのは、息子自身の親子関係です」と、陳銘さんの母親は言う。

 現在中国では、陳銘夫婦のような、かつて「一人っ子世代」と呼ばれた人たちが成人し、今なお親からの世話を受けている。しかし一旦、自分が子供を持つと、どう対応したらよいのか分からないという。

 多くの人にとって一人っ子は、甘やかされて育てられ、依頼心が強く、自立心に欠けると思われている。

 最近現れた、月給を全て使い果たす「月光族」や、大人になった後も親の脛をかじる「寄身族」、子供を生まない「 ディンクス族」などは、ほとんどが一人っ子世代である。

 しかし、これらの現象を一人っ子と無理にこじつけるのは、少々偏った見方である。南京大学社会学部の風笑天教授は、こういった現象は、社会が急速に発展する際の産物で、一人っ子も社会の一員として、当然影響を受けていると考えている。

 問題のカギは、一人っ子が独立した生活を送れるよう社会が手助けし、その上で、今の青少年の健康的な成長を導くことである。

 

 
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