メディアフォーカス MEDIA FOCUS
『三聯生活週刊』
タングラ峠を越えたチベット鉄道

 標高5000メートルを超えるタングラ山脈は、現地の人にとって、天気と収穫を司る神のような存在である。金が産出し、セツレンカが咲くこの高原では、長江の源とされる沱沱河が流れ、希少動物のチベットカモシカが生息している。

 タングラ峠は、青海省からチベット自治区への入り口で、かつての「唐蕃古道」、現在の青蔵(青海・チベット)道路も、すべてここを通ってチベットに入って行った。しかし非常に厳しい気候と独特な地形のため、道のりはとても困難で、交通が発達していなかったころは、10日もかけてこの場所を通り抜けていた。

 世界の注目を浴びている青蔵鉄道も、この地を通過する。1970年から地質学者は、タングラでツンドラ地帯での鉄道建設の問題を研究し始めた。当時、学者たちは、馬か徒歩で無人地区に入り、厳しい寒さと疲労、飢えに耐えながら、地質の測量と製図を進めてきた。

 現在、青蔵鉄道専門家グループのリーダーを務める張魯新さんは、「今見ると美しい景色も、当時の私たちには全くそうは感じられませんでした。ただ必死に仕事をして、心の中の孤独を紛らわすしかなかったのです」と語る。

 彼らは不安定なツンドラ地帯で、最も安全な鉄道敷設のコースを探し、脆弱な生態環境の保護にも全力を尽くさなければならなかった。30年あまりの努力を経て、130キロに及ぶ青蔵鉄道タングラ区間の建設は完成し、ついに近代的な列車がタングラを越えることになった。


『中国新聞週刊』
大学入試に落ちた人のその後

  6月23日、北京市の大学入試の合格ラインが公表された。李儀さんは、暗然とした気分で母親に、「お母さんごめんなさい。試験の結果はよくなかった」と携帯メールを出した。李儀さんの母親はそれを読んで、涙がこぼれた。家族全員の約1年にわたる努力が無駄になってしまっただけではなく、子供の将来が心配だったからだ。

  中国の人にとって長年、大学入試は、自分の運命を変える重要なチャンスだと考えられてきた。特に農村の子供たちにとっては、大学に合格し都市に行くことが、貧困から抜け出すことができるわずかな道だった。

 1998年、全国の普通大学の平均合格率は36%で、その後、政府は、毎年学生の募集人数を増やし、今年の平均合格率は52%に達した。しかしこれは、受験生のプレッシャーを緩和することにはなっていない。かつて大学の卒業証書は、社会に出て高い待遇を受けられる証明だったが、今では体面を保つ仕事を得るために欠かせない条件に過ぎない。

 大学に落ちた受験生には、主に2つの選択がある。1年に2、3万元を払って、大学受験を目指してもう1年勉強するか、あるいは、高校卒業の学歴で就職するかだ。就職した若者は、社会人のための大学入試に参加することができ、テレビや通信教育などの社会人大学の高等教育を受けることもできる。どちらにしろ、彼らはより一層の努力を払い、さらに多くの辛酸を経なければならない。


『新周刊』

困難になった個人情報の保護

 女性歌手の王菲(フェィ・ウォン)が、俳優の李亜鵬と結婚して女の子を生んだことは、最近、中国芸能ニュースの関心の的になっている。王菲が出産するころ、撮影器材を持った記者が病院を取り囲み始め、出産後のスターと子どもを撮影しようと待ち構えていた。これに対して李亜鵬は、「私たちの仕事は、芸能人としてみんなを楽しませることだが、両親や子どもまでを表に出して、みんなを楽しませる理由はない」と、とても不満げだった。

 有名人のプライバシーが、人々の話題になるのは珍しいことではない。しかし現在の発達した通信、撮影技術の向上と普及につれて、普通の人のプライバシーもますます安全ではなくなってきている。

 ハッカーは、パソコンの資料と情報を盗み取ることができる。カメラ付携帯電話は、のぞきをする人にとって便利な道具になり、人々は、監視用にも使われる超小型レンズにいつも見られていると感じている。最も憂えるのは、インターネットが、他人のプライバシーを公開してお金を稼ぐ人に、手っ取り早い環境を作り出したことだ。

 現在、中国の『憲法』『民法』『刑法』や一部の業界法規では、不法に他人のプライバシーの漏洩を処罰する法律条項が15カ条ある。2005年、国務院は、正式に『個人情報保護法』の立法をスタートさせた。そのほかに、誠実さや信用を重んじ、ルールを守る公共のスペースを作ることが、個人のプライバシーを保障する前提になる。

 

 
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