深遠な国茶の世界(21)
棚橋篁峰
 
 
草花の薬用性をいかす
保健茶

 

 お茶が本来は薬用であったことは、神農氏が72の毒にあたった際、お茶で解毒をしたという伝説によってわかります。

 保健茶のほとんどは、自然界から採れた草花の薬用性をいかしたものです。一般的に飲まれているものを紹介しましょう。

苦丁茶

 海南省や四川省の海抜1500メートル以上の高地で生産されています。この茶樹は木犀科の女貞樹に属し、新芽を摘んで独特の加工をしています。外形は濃い緑色、淹れたお茶は黄緑色で、独特の香りと芳醇で爽やかな味があります。飲むとはじめは苦いのですが、やがて甘みが出てきます。効果としては、ノボセを取り、消炎解毒、咳止め、酒やたばこの害を取り、血圧を下げ、ダイエットの効果などもあると言われています。

野菊米

 浙江省遂昌県の特産で、野菊を乾燥させると黄色のお米のようになるので野菊米といいます。淹れると透明な黄色になり、馥郁たる香りがあり、味はさっぱりとした喉ごしが魅力です。効果は、解毒作用があり、ニキビや吹き出物を押さえて肌の潤いを保ち、ノボセを押さえ、特に目の健康によいと言われています。

洋菊花茶

 飲用し続けると、カルシウムの補充、心筋機能の調節、コレステロール低下の効果があると言われる稀少な健康飲料です。

千日紅茶

 金紅、呂宋菊、長生花とも呼ばれ、ヒユ科植物千日紅の花序です。チベット高原の雪山に野生している天然植物で、環境汚染の影響がありません。ほのかな甘味で、血圧を低下させ、肝臓を清らかにし、結石を除去する効用があります。中国古代文献の中では「油膩を解かし、人の脂を去る」(脂肪分分解)の効用があると書かれています。

絞股藍茶(アマチャヅル)

 別名を南方人参といい、中国の西南地区山間部の森林に産する天然の植物です。

 効能は、渇きを癒し、虚弱体質の改善、睡眠の改善、熱冷まし、解毒作用などがあります。また、脂肪分を落とし、抗癌作用があり、血圧を下げます。その他、老衰を防ぎ、気管支炎、肝炎、糖尿病、便秘、偏頭痛、高血圧、ダイエットなどによいと言われます。

【ワンポイント・メモ】

  保健茶は、体質により効果が出ない場合もあります。一カ月程度飲んでみて、変化が現れないようであれば、ご自分の体質に合わないと考えていただく方がよいと思います。


棚橋篁峰 中国茶文化国際検定協会会長、日中友好漢詩協会理事長、中国西北大学名誉教授。漢詩の創作、普及、日中交流に精力的な活動を続ける。

 

 

 

 
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