東京支局長 林崇珍=文・写真
 



   

 今年5月から、NPO大阪府日本中国友好協会の会長に、谷井昭雄さんが就任しました。松下電器の社長、会長、相談役、特別顧問などを歴任した生粋の大阪経済人です。

 「これまでやってきた経済や商売の世界とはまったく違う世界に入りましたが、人間の信頼関係が大切なことは、商売も友好運動も同じだと思います」と言った。

 松下電器といえば、北京の首都空港から市内へ向かう高速道路の途中に、北京松下カラーブラウン管有限公司の工場群があります。

 この公司の設立は、松下電器産業の創業者で、いまは亡き松下幸之助氏の発案でした。1979年からの2回の訪中の中で、中国のケ小平副総理(当時)と「日中電子工業連合合弁企業構想」を発表し、日本の電子工業企業の先頭にたって、中国の近代化に協力したのです。

 「1989年、実際に調印式に行ったのは、私です」と谷井さんは言う。いま中国における松下電器は、4万5000人の中国人従業員を有する企業に成長しました。

 しかしこの数年、中日の政治的関係は冷え込んでいます。谷井さんは「国民感情も次第に悪化しつつあるようです」と心配しています。

 
 
谷井昭雄さん

 では、これを改善するには、どうしたらよいのか。谷井さんはさまざまなアイディアを持っています。

 「まず、できる分野での協力を推進すること。たとえば環境や省エネなどの分野です。もう一つは草の根の交流をもっと盛んにし、ムードを盛り上げること」

 2000年から日中経済貿易センターの会長に就任した谷井さんは、2005年に、関西にある108社の中小企業を中国・山東省に連れて行きました。「環境や省エネなどの分野で、日本の中小企業は、経験やノウハウをたくさん持っていますから」という。

 また昨年は、孔子の故郷である山東省の曲阜を訪れました。「いま日本全国に、『論語』を勉強する会がたくさんあります。それを全国の『孔子会』としてまとめて、孔子の末裔を日本に迎えて交流すればどうでしょうか」と提案する。

 さらに、書道や太極拳など、中日共通のものを通じて、市民同士の草の根交流を広げられないか、とも考えています。

 谷井さんならきっと、これまで経済界で見せた手腕を、中日友好運動でも発揮してくれるに違いない、と私は確信しました。

 
 

 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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