メディアフォーカス MEDIA FOCUS
『瞭望東方週刊』
過労死が中国を襲う

 2006年5月28日夜、エンジニアの胡新宇が25歳の若さで病院で亡くなった。ずっと健康には問題のなかった彼がなぜ突然亡くなったのだろうか? 医師の診断によれば過度の疲労が引き起こした脳溢血だという。胡新宇の所属する会社では一貫して厳しい勤務評定制度が行われていた。このため真剣に仕事に打ち込み、日々向上に励んだ胡新宇は、たびたび遅くまで残業し、疲れが重なって体を壊してしまったのである。

  北京安貞病院の統計では、毎週少なくとも2、3人の45歳以下の中青年が、急性の心筋梗塞あるいは脳卒中で集中治療室に運び込まれている。中国人体健康促進会の調査でも、中国では毎年100万人近くが過労で病気になり、亡くなる人さえいることが明らかになっている。このため、医師は規則正しい生活、正しい飲食を心がけ、リラックスし、病気の早期シグナルを重視するよう呼びかけている。

 中国の『労働法』では、労働者の労働時間は日に8時間、週に40時間を超えてはならないと明確に規定されている。中国人民大学法学院の関懐教授は、休息権は『憲法』で定められた公民の権利であり、人を雇用しているいかなる職場であろうと、形を変えて労働者に残業をさせるようなことがあれば、必ず法律による制裁を受けなくてはならないと考えている。現在、中国の労働監察部門では社会的に仕事のプレッシャーを緩和しようと、社会保障制度の改善などの措置を講じている。同時に、より念入りな労働者の権益を保護する法律も制定中である。


『南風窓』
「留守児童」のつらい生活

 12歳の譚海美は幼いころから祖父と安徽省の農村で暮らしている。彼女の生活と学業は街で働いている両親からの仕送りによって支えられている。生まれつき情熱的でしっかりした譚海美は、多くの同級生の家庭状況も自分と同じようだということに気づくと、彼らを集めて「出稼ぎ労働者の子供たちの家」を設立した。彼らは互いに助け合い、一緒に遊び、孤独や悩みから抜け出そうとした。

 前世紀末以来、農村の青年壮年が都市にどっと流れ込み、都市の発展に大量の労働力を提供した。だが、彼らの子供は農村に残され、「留守児童」とよばれた。調査によれば、現在、中国の15歳以下の「留守児童」は約1000万人ほど。どうすれば彼らが健全に成長し、良好な教育が受けられるかということは、もはや社会問題となっている。

 今年3月、映画『留守孩子(残された子供)』がクランク・イン。監督はこのような子供たちの憂うべき生活状況を、如実に、感動的なディテールを描くことによって現し、社会全体にこの問題の解決を呼びかけている。際立って優秀な出稼ぎ労働者に住宅を提供し、子供を呼び寄せて街の学校に通わせることを奨励する企業も現れた。中国政府は専門機構を組織して「留守児童」の世話をし、監督・保護することによって、彼らの孤独感を減らすことに努めている。このほか、中国は現在「社会主義新農村建設」を進めており、農村の生活及び教育の立ち遅れという現状は大きく変わりつつある。


『中国新聞週刊』

カラオケ統制してもOK?

 1980年代にカラオケが中国に伝わって以来、この娯楽はずっと大衆に深く愛されてきた。社会に登場した歌のほとんどのカラオケが制作され、消費者が歌をいれるのに任せて、カラオケボックスは個室の大小や楽しんだ時間に応じて料金を徴収するのみとなっている。今年7月、この規定にちょっとした変化が起こった。

 7月21日、国家版権局は、カラオケは個室使用料をベースに音響、映像ソフトの著作権使用料を徴収することを表明した。例えば個室一部屋あたり毎日10元(約150円)程度の著作権使用料を徴収するとすれば、中国には現在11万軒のカラオケボックスがあり、一軒あたり個室20室で計算すると、著作権使用料収入総額は毎年80億元を上回ることになる。中国音像集体管理協会責任者の王化鵬氏によれば、2000年から、レコード会社とカラオケ経営者の間で楽曲の著作権に関するもめごとが増える一方だという。著作権使用料の徴収はこの矛盾を緩和するだけでなく、中国政府の知的財産権に対する保護をより体現するものとなっている。

 このほか、カラオケの楽曲リストを統制し、その中から不健全な内容の楽曲を削除することを、文化部が発表。

 現在、こうした動きはすでに始まっている。国のカラオケに対する管理行動に、多くの消費者は理解と支持を示している。しかし、もしもやり方が不適当であれば、消費者の「歌いたいから歌う」権利を損なうことになってしまうかもしれないと心配する声もある。

 

 
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