『碧奴』
蘇童・著

重慶出版社 
2006年8月 25元

  中国には、孟姜女が泣いて万里の長城を崩すという古い伝説がある。かつて皇帝は外敵の侵入を防ぐため、働き盛りの男をすべて捕らえ、長城の建築に従事させたということが伝わっている。孟姜女の夫もその中の一人だった。北方の冬は寒いだろうと思った彼女は、長い長い距離を歩いて、夫に綿入れを届けに行った。しかし彼女を迎えたのは夫は死んでいたという事実だった。こらえきれずに孟姜女が激しく泣き叫ぶと、長城までも崩れ落ちてしまった……著名な作家蘇童はこの伝説に基づいて、繊細な風格の文章で、幻想的色彩の濃厚な、孟姜女(小説では碧奴)が泣いて万里の長城を崩してしまうという物語をリメークし、作品を書き上げた。

  昨年3月、英、米、仏、中など30数カ国共同出版プロジェクト「神話再興」が正式に動き始めた。各国の作家が現代的意識をもって自国の神話を語り直すというものである。入選作品はプロジェクトに賛同した各国で同時出版されることになっている。『碧奴』は中国の初めての入選作品。蘇童の主な作品には『妻妾成群』(後に『大紅灯籠高高掛』/日本語題名『紅夢』として映画化)、『婦女生活』(後に『茉莉花開』/日本語題名『ジャスミンの花開く』として映画化)などがある。



『解密』 

麦家・著

中国青年出版社 
2006年5月 18元

  容家は江南の由緒ある家柄であり、近代中国学術界が公認した「数学の名家」でもあった。容家の天才数学者容金珍は一心に国際数学分野を目指して邁進していたが、歴史的大騒乱のために別の道を歩むことを余儀なくさせられ――新中国の国家の安全のため、姓名を隠し、神秘的な701基地で暗号解読工作に従事することになる。この頭脳戦争で、彼は敵の陰謀を破壊しつつ、自分自身を破壊してゆく……

 本書は若手作家麦家の長篇代表作。最近、暗号解読工作を描いた彼のもう一つの小説『暗算』がテレビドラマ化され、放送されるとたちまち大きな反響を呼んだ。その他の関連小説も相次いでベストセラーランキングに登場した。

  

『人民中国』おすすめのベストテン

1.『五星飯店』   海岩・著 現代出版社 
2.『美元硬過人民幣』  韓東・著 上海人民出版社    
3.『舌尖上的中国――
   文化名家説名吃』
馬明博、蕭瑶・編著 中国青年出版社
4.『海峡経済区探索』  厳正など・編著  社会科学文献出版社
5.『東周列国故事――
   林漢達通俗歴史経典』  
林漢達・著 文匯出版社
6.『民主与近代中国』      李華興・著  上海社会科学院出版社
7.『西蔵、遠方的上方』     祝勇・著  遼寧教育出版社   
8.『紀連海新解乾隆朝三大名臣』 紀連海・著   光明日報出版社
9.『柏楊品三国』   柏楊・著 中信出版社    
10.『第601個電話』    鄒静之・著 安徽人民出版社

 

 
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