メディアフォーカス MEDIA FOCUS
『三聯生活週刊』
大衆化するゴルフ

 2006年9月、上海財経大学の体育の選択科目に「ゴルフ」が登場した。学校側の説明によれば、現在多くのビジネスがゴルフ場内のコミュニケーションで成立しているため、学生たちがこのスポーツを知り、将来のビジネス活動の基礎とすることを願ってのことだという。

  いくつもの大学が次々に上海財経大学のやり方を真似た。これに対し一部の社会世論は、中国におけるゴルフはなんといってもまだ「貴族のスポーツ」であり、学校で行うのは、家庭の経済状況の異なる学生に、貧富の差という不平等な観念を生み出してしまいかねないと考えている。このため、北京大学ではゴルフ練習場の造成計画をストップした。

 現在、中国には300以上のゴルフ場があり、世界第5位となっているが、北京、上海、天津などの大都市ではさらにゴルフ場の造成が続いている。統計によれば、中国のゴルフ人口はおよそ50万人で、その多くが社会的なエリートである。しかし、このスポーツは少しずつ庶民にも広がっており、ゴルフの練習場でクラブを振る普通の人の姿もよく見かけるようになった。ゴルフ事業経営者は中国マーケットの目標を3000万人としている。

 中国ゴルフ協会の宋亮亮副秘書長は言う。「ゴルフというスポーツの中国における発展の鍵は、人々の観念の転換にあります。かつてはテニスも『貴族のスポーツ』と呼ばれていましたが、今やテニスコートはどこにでも見られるではありませんか」


『中国新聞週刊』
伝統文化をどう生かすか

 19世紀中頃から、旧中国の立ち遅れを憂えた人々は、国家の富強のためには、まず時代遅れの過去を捨てなくてはならないと考えた。その結果、数々の伝統的な風習、礼儀や文化が封建的、迷信的思想であると誤解され、次第に国民の生活からなくなった。

 西洋の文化、価値観及び生活スタイルが広く浸透した今、新たな疑問の声があがっている。英語の勉強と古詩の暗誦のどちらを重視すべきか?若者のバレンタインデーやクリスマスに対する情熱をどう扱えばいいのか?中国の伝統的な節句である清明節、端午節、中秋節を休日にすべきではないか?知識人たちは中華文明の将来に対する焦燥感にかられると同時に、「国学」ブームを巻き起こし、伝統における国粋を取り戻して揺るぎのないものにしようと望んでいる。

 唐代や漢代風の服が街にあふれ、老舗の店は客でいっぱいになり、近代的なビルは中国式の屋根を被せられ……再び青春の輝きを取り戻した伝統もあれば、大衆にこびる大げさなものに変わってしまったものもある。国粋の回復とは、単なる形の上での復古ではなく、「すばらしい伝統」と「すばらしい現代」が互いに補いあって結びつかなければならないと考える社会学者もいる。これはまさに中国が今進めている「社会主義の調和の取れた社会を構築する」という過程において、長期的に探索し解決しなくてはならない課題である。


『瞭望東方週刊』

北京の交通渋滞を解剖する

 2006年中秋節前夜、北京の交通はかつてないほどひどく渋滞した。この渋滞は、それぞれの会社が互いに月餅を贈りあうため、その配達で長時間にわたって路面を占拠する車両が引き起こしたものであり、「月餅ラッシュ」と呼ばれた。

 この数年、北京市は市内の道路の建設、拡張を絶えず続けてはいるが、それでも自動車保有数の急増には追いつかない。現在、北京市の自動車の数は、公用車と自家用車合わせて273万台に達している。公用車を運転する人々は交通コストを考える必要がないため、最も憂いのない層である。自家用車のドライバーはガソリン価格の高騰に文句を言いながらも、出かける時の体面を保つことができる。一番どうすることもできないのが、多くの「バス通勤族」である。彼らは所要時間が保障できないだけでなく、ラッシュ時にはさらに、うんざりするような押し合いへし合いの苦しみをなめなくてはならないのである。

 このような状況に対して、北京交通大学の毛保華教授は、現在の北京で市全体の交通システムにおいてわずか28%となっている公共交通を50%まで引き上げなければ、増える一方の自家用車がもたらす交通渋滞のトラブルを解決することはできないと考えている。公用車と自家用車から渋滞費を徴収し、その車両数を制限することによって交通のプレッシャーを緩和し、大多数の人々の交通の権益を守るべきだと提案する専門家もいる。北京市政府は社会各分野からの提案をまとめ、地下鉄の建設、道路状況の改善、公共バス路線の増加、交通法規の整備などの手段を通じて、北京の交通をスムーズにしようと努めている。

 

 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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