メディアフォーカス MEDIA FOCUS
『瞭望東方週刊』
十字路に立つ中国医学

 最近、中国国内のインターネット上で、中国医学は必要か否かという論争が沸き起こった。この動きの発起人、中南大学科学技術・社会発展研究所の張功耀教授によれば、中国医学は西洋医学に比べ、唯心論的、迷信的要素が多すぎるため、徹底的に廃止することが中国の伝統文化の改善になるという。彼の論点は、各界から反発を受けた。

 中国科学技術大学の朱清時学長は、「中国医学は、人間の身体機能の全体的なバランスを調整することによって病気を治すもので、中国医学の陰陽五行説は、人体の複雑な系統が互いに影響しあっていることを説明するものである。これは西洋医学の病原を取り除く対抗療法とはまったく異なった医学理論である。そのうえ、鍼灸やマッサージなど中国医学特有の治療手段は、西洋医学では治すことのできなかった数多くの病気を治癒してきた。中国医学はアジアで広く行われているだけでなく、西洋医学を生んだ欧米諸国においても次第に認められ、重視されつつある」と考えている。

 論争が生まれた背景には、近年の中国医学の低迷がある。統計によれば、著名な中医の数は1980年代の5000人余りから、500人足らずまで減少。その主な原因は、西洋医学の診断、化学分析、管理基準によって中国医学を評価する現行の医療管理制度にある。このため、少なからぬ中国医学者が、中国医学を救うため、独立した中国医学の管理システムと専門病院を建設すべきだと提起している。


『中国新聞週刊』
「欽差大臣」登場

 2006年後期、国家環境保護総局、建設部(日本の「省」に相当)などは、数回に渡って「督察(監督・査察する人)」を地方に派遣・駐在させ、環境保護、建設業務を監督・管理した。「督察」という言葉は中国における行政体制改革の流行語にもなった。中央に直接に責任をもつ「督察」は、まるで古代社会における欽差大臣である。

 国家行政学院の汪玉凱教授は、これは中央政府が地方政府との関係調整を始めたことを示すものであるという。新中国の歴史上、かつて中央政府の地方権力に対する管理として「三放三収(中央が権力を3度地方に譲り渡し、3度回収したこと)」を行ったことがある。どちらかといえば中央集権であるときには、経済成長は比較的緩やかながら、中央の政令は滞りなく遂行され、民衆の権益は保障される。中央集権を緩めると、経済成長は比較的速くなるが、地方の保護主義が台頭し、地域の民衆の権益が損なわれるようになる。このため、中央の地方権力の監督も、地方の自主権拡大も、社会の安定と発展を保証するバランス・ポイントを探している。

 これに対し、「中央と地方の権力・責任をはっきりと分け、それぞれが法定された役目において民衆に責任を負うと同時に、民衆が政府を監督できる民主ルートの建設を強化すれば、中央政府、地方政府、民衆が、『安定した三角形』を構成できる」と提案する社会学者もいる。


『南風窓』

山西省パターンの転換

 石炭資源全国第一の山西省は、中国の重要なエネルギー供給源である。しかし、長期にわたって続けてきた「石炭を掘って、石炭を売る」という粗放な生産パターンと、石炭主体の単一工業構造のために、その経済力は全国的に見て常に立ち遅れた地位にあった。

 この局面を転換させるため、多くの経済学者と政府の役人が相次いでさまざまな献策をした。ある人は、山西省は石炭を、電気やガス、コークスなど、輸送コストの低く、利潤の比較的高い製品に加工すべきだと考えた。ある人は、豊富な文化や景観を十分に利用し、省全体の財政における観光業、サービス業の比重を拡大すべきであると提案した。またある人は、石炭主体の産業構造を変え、多様な工業が並存する局面を発展させることこそ、山西省の経済力を高める大切なポイントだと指摘した。いったいどうすればいいのだろうか。山西省の経済構造調整は、今まさに改革の十字路に立っている。

 現在、山西省政府が選択したのは投資を集めるという道である。まず一部の石炭エネルギー企業を国際市場に向けて押し出し、海外資金を集めるための重要な構成要素とし、今後5年以内に、1億6000万元の融資を集めることを目標とした。この資金を、人材や、技術、管理経験を導入する有効的なサポートとし、山西省の経済パターンを全面的に転換させる。この転換は、計画経済時代におけるエネルギー大省が、市場経済時代の経済強省へと向かうプロセスとなるであろう。

 

 
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