『人民中国』

邱先生の24式太極拳講座 ②

邱慧芳＝講師　魯忠民＝写真

白鶴が羽を広げる　膝をはらう

      頭を上げて顔を正す、肩を沈めて肘を垂らす、
      胸に含みをもたせて背の力を抜く、腰を緩めて背を正す。
      上下の動きを関連させる、円く緩やかに動く、
      一心に感じて悟る、続ければ必ず成果あり。

三　白鶴亮翅　白鶴が羽を広げる

①右足を引き寄せ球を抱える

　① （前号に続き「左弓歩」の状態で、左手は目の高さ、右手は右腰のあたりの形から）上体をやや左にまわし、左の手のひらを下に返しながら胸の前に引きよせる。右手は弧を描きながら左手の下にもっていき、手のひらは上に返す。両手の間に球を抱えているような感じに。同時に右足は左足に半歩引き寄せる。左手を見る。

　「気」が左の足もとまで下がっていくとイメージ。左足の付け根をやや収縮させて勁（力）を留め、右の尻と付け根の力を抜いて、右足を左足に引き寄せる。

②「虚歩」となって両手をひらく

　② 上体を後ろにひいて重心を右足に移す。上体を右にまわし、右前方を向く。ついで、左足を少し前に出し、つま先を地につけ、「左虚歩」（両膝を軽く曲げ、左足を軽く地につけ、重心を右足にかける姿勢）となる。上体をやや左にまわし正面を向く。それにつれて、左右の手をそれぞれ左下、右上にゆっくりとかき分け、右手は額の右側まで持ち上げてとめる（手のひらは左後方に向ける）。左手は左のももの前に置く（手のひらを下に向け、指は前に伸ばす）。前方を見る。

　右腰の「気」が下がっていくとイメージ。左足を前に出すときは軽く地につけるだけだが、「気」は親指の先まで注がれている。「気」が「丹田」（ヘソ下）を中心に体の隅々まで注がれ、体の上下が互いに引っ張りあい、力が奮い立つように感じる。右手の勁点は小指の外側、左手の勁点は手のひらにある。

四　左右ロウ膝拗歩　膝をはらう

①体をまわし左足を引き寄せる

　① 上体を左にまわしながら、右手を体の前に下ろす。ついで上体を右にまわしながら、右手を右上後方に弧を描きながら持ち上げ、耳と同じ高さに置く（ひじをやや曲げ、手のひらを斜め上に向ける）。左手は左下から弧を描きながら右胸の前にもっていく（手のひらを斜め下に向ける）。同時に左足を右足の内側に引き寄せ、つま先を地につける。右手を見る。

②左足を前へ出し右ひじを曲げる

　② 上体を左にまわし、左足を左前方に踏み出してかかとを地につける。同時に右ひじを曲げ、右手を耳のわきに持ってくる。左手は左下に向かう。

③「左弓歩」となり右手を押し出す

　③ 左足の膝を曲げ、「左弓歩」になる。同時に、右手は耳のわきを通って前に押し出し、鼻と同じ高さに置く。左手は左膝の前をはらい、左腰のわきに置く。指先は前に伸ばす。右手を見る。
　
　「ダン中」」（左右の乳首を結んだ線の中央）の「気」が「丹田」に下がっていくとイメージ。腹背に右→下→左→上と循環する「気」の輪ができる。勁は両腕に注がれている。

　

④上体を後ろにひく

　④ 右膝をゆっくりと曲げ、上体を後ろにひいて重心を右足に移す。左足のつま先を起こしてやや外に開き、ついで足の裏全体でゆっくりと地を踏む。

　上体を後ろにひくときは右足の付け根、膝、足首の順に力が抜けるとイメージ。「気」が右の足元に下がり、上体をやや左にまわす。

⑤体をまわし右足を引き寄せる

　 ⑤ ①と同様で左右逆。

　 ⑥ ②と同様で左右逆。

⑥右足を前へ出し左ひじを曲げる

⑦「右弓歩」となり左手を押し出す

　⑦ ③と同様で左右逆。

　左手を押し出し右手をはらう動きと「右弓歩」になる動きは同時に頂点に達する。

⑧ ④と同様で左右逆。

⑨ ①～③の動作を繰り返す。

【プロフィール】邱慧芳　1975年生まれ。以前は北京武術隊に在籍、現在は北京理工大学体育部の講師。2003～04年に3回訪日し、日本武術太極拳連盟で教えた。99年第5回世界武術選手権大会太極拳部門、02年中国全国武術選手権大会太極拳部門、03年同大会太極剣部門など数々の大会で優勝している。