親子のやりとりを歌って大人気に
「吉祥三宝」

 いま中国では、内蒙古自治区出身の夫婦とその姪のユニット「吉祥三宝」が大人気だ。彼らは、グループ名と同名のファーストシングル『吉祥三宝』で一躍有名になった。モンゴル民謡特有の旋律を用いて、両親と娘のほのぼのとしたやりとりを歌にしている。人情味あふれ、大草原のさわやかさを運んでくると評判だ。

 夫のブレンバヤルさんは蒙古族、妻のウリナさんはエベンキ族。以前は二人とも、内蒙古ホロンバイル(呼倫貝爾)大草原の歌い手だった。

 1980、90年代、相次いで北京にやって来る。現在、ウリナさんは中央民族大学の音楽教師、ブレンバヤルさんは中国国際放送局(北京放送)のモンゴル語のアナウンサーとして活躍。余暇は歌を歌ったり、作ったりして過ごす。

 『吉祥三宝』は、ブレンバヤルさんが1994年に創作した歌。娘のノルマンちゃんの3歳のバースデープレゼントとして作った。

 2005年、ブレンバヤルさんは自分のファーストアルバム『天辺』を制作する際、この『吉祥三宝』も収録しようとした。しかし娘はもう大きくなり、子どもの声ではなくなってしまった。そこで姪のインガマーちゃんを北京に呼び寄せた。インガマーちゃんは生まれたときから歌が上手く、澄んだ歌声の持ち主だった。

 「彼女は草原で生まれ育ち、大都市に来たことがなかったので怖がらないか心配しました。ところが、とても落ち着いていて、自然体で、収録は一回で成功しました」とブレンバヤルさんは話す。

 『吉祥三宝』はリリースされるとたちまち注目を浴びる。この歌を歌う機会が増えるのにともない、ブレンバヤルさんたち3人も中国全土で知られるようになった。口ずさみやすい『吉祥三宝』は、多くの人たちに愛され、歌われている。

 ブレンバヤルさんはこの歌にかける思いを次のように語る。「『吉祥』とは祝福の意味、『三』は蒙古族がよく使う数字で、両親と子どもの三人家族ということも象徴しています。『吉祥三宝』も、仲のよい幸せな家庭の象徴となってほしい」 (「快楽学唱中文歌♪」で歌を紹介)          文・王浩 表紙写真・楊振生

 

 
 

 
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