東京支局長 林崇珍=文・写真
 



   

 最近、日本で発行されている中国語学習月刊誌『中国語ジャーナル』が、こんな調査結果を発表しました。

 「中国語を学ぶ理由」として、回答者の半数以上が「趣味」を挙げたのはこれまでと変わりませんが、「ビジネス目的」の学習者が17%を占め、年々増える傾向にあることがわかりました。

 とくに興味深いのは、知人や家族に中国人がいる「環境」が3位(16%)という点です。これは、日本に暮らしている中国人が60万人にも達し、中国人と身近に接する機会が増えたことの表れでしょう。

 近年、中日間のビジネスがますます盛んになっています。仕事で中国に暮らす日本人も年々増え、上海だけで、常時6万人が暮らし、出張ベースで2万人が滞在していると言われます。「中国で第二の人生を」という「団塊の世代」も少なくないようです。

 一方、日本へやってくる中国人観光客も増えています。そのぶん、観光ガイドなど、中国語のできる人材が求められています。

 
 

『中国語ジャーナル』の海老沢久編集長(左)と古市真人初代編集長

 こうした動きを背景に、静かな中国語学習ブームが起きています。NHKの中国語講座テキストの4月号は、ラジオ版とテレビ版がそれぞれ12〜14万冊売れたということです。

 毎年、中国語検定試験を受ける人は約5万人。これから推定すると、いま日本で中国語を学んでいる人は、百万人ほどいるのではないでしょうか。

 しかし最近、パソコンや携帯電話など、学習ツールが大きく変化してきて、中国語学習事情も変わってきました。

  2001年に創刊された『中国語ジャーナル』は、「生きた中国語」を念頭に置き、「音」を大事にしてきたと同誌の海老沢久編集長は言っています。だから雑誌の中身の9割以上を付属のCDで聴くことができました。

 それが今年からリニューアルされました。携帯デジタル音楽プレーヤーで楽しめる中国語音声コンテンツを、雑誌のウェブサイトで提供するようになったのです。さらに、雑誌のデジタル版も開発されました。インターネットのデジタル版をダウンロードすれば、パソコンで、紙の本をめくるように読むことができるというのです。

 時代の変化に合わせて、中国語学習のツールも変わりつつあります。


 
 

 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。