チベット高原に暮らす人々は、厳しい自然環境や気候条件のもとで独特な生活様式を生み出した。代表的な衣服であるチュバと呼ばれる長衣は、北部の遊牧民は羊の皮で作った厚手のものを着用し、南部の農耕民は毛織物のチュバを着ることが多い。また男女とも装身具で身体を飾ることを好み、とりわけ女性の装身具は豪華で独特の意匠が目を引く。冠、耳飾、胸飾は、いずれも金、トルコ石、真珠、瑪瑙などがふんだんに使用され、チベットの代表的な装身具と言える。

 またチベットでは、一年を通してほぼ毎月のように、各地の寺院で大小さまざまな祝祭が行われる。そこでは祭礼行事としてチャム(跳神舞)が行われ、護法神や忿怒神の仮面をつけて、楽器の演奏に合わせて舞う。チャムはインドの密教行者パドマサンバヴァによって創始されたとも言われ、仏教の舞踊をベースに土着の舞踊やボン教のシャーマニズム的な舞踊を組み入れ、チベットに仏教を浸透させた。これに対してアチュラモは、民間の娯楽的な歌舞劇であり、仏教の物語をテーマに独特の節回しによる歌唱と舞踊によって劇が進行し、大きな面具をつけるのも特色である。

 このようにチベットでの暮らしはすべて仏教と結びついている。医療も例外ではなく、精神の病である煩悩の苦しみは、肉体をむしばむ病の苦しみよりも根本的な病とされる。医学の究極の目的は、解脱による永遠の安楽にあり、『四部医典』タンカにもあるように薬師如来が医学を講訳し、薬王、医王の役割を演じる。

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