衛生部、北京のSARS患者急増の原因を説明


 国務院新聞弁公室は4月20日、重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する記者会見を行った。この中で、衛生部の高強・常務副部長は、この日に発表した北京の発生状況が以前と大きく変わった原因について説明した。主な内容は次の通り。

 (1)SARSは突然襲った深刻な災害で、人類が知り尽くしていない正体不明の病気だ。診断は難しく、受診してから病気を確定するまでのプロセスが必要となる。最近、感染の疑いのある擬似感染者が何人か、診断を受けてから一定期間を経てSARS患者と確認され、患者数が増加した。今後数日間に、さらに一部の擬似感染者がSARS患者と確認され、患者数はさらに増加することもありうる。

 (2)北京市の市、区、県所属の131医院、衛生部または教育部所属の14医院、軍隊や武警所属の16医院、各業界所属の14医院の間の連携が足りず、統一された指揮系統がなく、情報のやりとりがなかったため、持っている材料を総合することができなかった。また、患者は現在、70以上の病院に分散して収容されており、北京市には全面的に正確な統計がなかった。

 (3)対応上の問題からいえば、衛生部には公衆衛生上の問題の突発に対する準備が不足しており、予防体制がぜい弱で、SARS発生後、全国状況の統一的な情報収集、取りまとめ、報告制度の制定など迅速な対応ができず、要求が不明確で、指導の効果もなかった。また北京市関係部門の情報統計、観測報告、追跡調査などの対応体制が不充分だったため、SARS発生状況の統計に大きな手抜かりがあり、正確な数字の報告が上部に届かなかった。

 全国のSARS発生状況の変化を社会全体に知らせるため、国務院は、これまでの5日ごとに行っていたSARS情報の発表を21日から、毎日行うことを決定した。確認された患者数のほか、擬似感染者についても発表し、各級政府、国民が予防対策を重視し、ともに努力して、病気を抑圧するよう促す。

(「人民網日本語版」より)2003/4/22