中国最高検察庁の腐敗取締り作業


 
北京で開かれている中国第10期全人代・全国人民代表大会第1回会議の全体会議は11日、最高裁判所の肖揚長官と最高検察庁の韓杼濱検事総長が行った活動報告をそれぞれ聴取した。毎年の全人代年次会議でのこれら活動報告が腐敗取締りに直接に関係することから、国内外の熱い注目を浴びている。

 今年の活動報告の中で最高裁判所と最高検察庁が何れも、職務犯罪への取締りと予防を重点的に明らかにした。これは最も大きな特徴だけでなく、汚職腐敗の問題を重要視し、その取締りを絶えず強化させていく司法当局の決意をも示している。

 最高検察庁の公布したデータによると、今期政府の5年間の任期内に検察当局は汚職、賄賂などに関わる重大な刑事案件を5000件以上摘発し、司法当局は中クラス以上の幹部2600人余りを処罰した。

 特に、全人代常務委員会の元副委員長、江西省の元副省長、公安部の元副部長などの高官が腐敗と汚職の問題で次々と法律に基づいて処分され、国内外からの強い反響を呼んた。同時に、公務員に賄賂を使った犯罪者への取締りも一層強化されるようになった。

 最高裁判所と最高検察庁が公布したこれらのデータは中国の司法当局が法律手段を通じて、汚職腐敗者を厳しく取締る決意を示している。どんな偉い肩書きを持つ政府高官でも一旦国家の法律に違反したら法律によって断固として摘発されなければならないのだ。

 ところが、公布された事件の数から見ると、なぜ中国にはこれほどたくさんの職務犯罪があるのか、なぜ多くの高官が犯罪事件に巻き込まれたのかという疑問を抱かせる。

 実は、腐敗問題は歴史的社会現象として、今日、先進国にしても、発展途上国にしても世界各国が共に直面している難問の一つとなっている。中国は現在、社会主義の初期段階にあり、社会主義市場経済に適応する管理と監督制約システムがまだ整えていない上、社会主義民主の法制度がまだ完備せず、一部の腐敗現象は体制転換と構造調整の中で完全に避けられないのだ。

 こうしたことに対して、最高検察庁は今年の報告の中で、「社会化した予防システムの完備を推し進め、源から職務犯罪を抑制させよう」と明らかにした。つまり、体制と制度の改革と管理の強化を通じて、源から権力の不正行使を防止するもので、これは腐敗撲滅の根本的な策だと言える。朱鎔基首相もこのほど、政府活動報告の中で「今期政府は5年間に、1000余りの行政許認可権を取り消した」と述べた。

 現在、中国は法律手段と制度の整備から腐敗撲滅作業を強化する一方、世論による監督の重要性を重視している。20年余りの改革開放を経て、中国の国民は国家の政権建設と自らの民主権利の保障をより一層重視するようになった。中国の腐敗撲滅作業は関係制度と法律の完備に伴い、国民と世論の監督の下でより素晴らしい成果を収められるだろうと見られている。

(「CRI」より 2003/03/12)