「農業のグローバル化への対応を」 全人代記者会見


 第10期全国人民代表大会(全人代)第1回会議は10日午後、人民大会堂で記者会見を行い、農業部・杜青林部長と国務院発展研究中心・陳錫文副主任が、世界貿易機関(WTO)加盟後1年目の情況について記者の質問に答えた。

 陳副主任は、穀物の供給過多、価格の低迷という現在の情況について「長期的な問題ではなく、段階的な現象だ。同様に、世界の穀物生産の減少による価格高騰も、恒常的な問題ではなく、特殊な情況だ。したがって、中国の2002年の穀物輸出量が輸入を大きく上回ったことは、一時的な現象という可能性が大きい」と分析したうえで、「世界的に見れば、穀物に関しては中国への輸入圧力の方が常に大きいと言える」とした。また農産物の品質について触れ、「この数年、中国の農産物は品質が大きく向上したものの、農産物輸入国側の農産物に対する品質安全基準も大幅に引き上げられており、上げ幅が数十倍から百倍以上に達するケースも多い」としたうえで、「労働集約型の中国農産品にとっては、輸出を阻む大きな壁となっている。品質安全基準に関する交渉は増えつつあり、新しい貿易障壁となる可能性さえある」と指摘した。

 杜青林部長は、「中国政府は農産物の品質・安全の問題を重視しており、有効な措置を多く打ち出している。中国の農産物は全体として問題のないレベルにあり、特に食品の安全は保証できる」としたうえで、政府の具体策について「中国は今年、全国の各省都や計画単列市(日本の政令指定都市に相当)で農産物無害化に関する活動を全面的に行い、総合的な措置を取り、農産物の品質に対する管理とコントロールを行う」と述べた。

(「人民網日本語版」より)2003年3月12日