中国新しい国家指導層


 日本の国会に当たる、中国の最高国家権力機関である・全人代・中国全国人民代表大会は15日、中国の新しい国家指導者を選出した。

 

 15日の全人代会議は、まず、呉邦国氏を第10期全人代常務委員会委員長に選出した。

 現在、中国共産党中央政治局常務委員である呉邦国氏は、1941年中国中部の安徽省に生まれ、1966年清華大学無線電子学部を卒業し、1991年、中国共産党上海市委員会書記に就任し、1995年、副首相となり、中央大手企業工業委員会書記に任命され、2002年11月に中国共産党中央政治局常務委員に選ばれた。

 副首相在任期間中、工業方面の事業を主管し、数回にわたって、工鉱業の企業や工事現場を視察し、国有企業の改革及び、一部の大型プロジェクトの建設を指導してきた。例えば、去年11月、長江三峡水利プロジェクトの堰止め工事が成功したが、工事が始まった時、呉邦国氏は自ら工事現場に入り、祝賀の挨拶を送った。その際、呉邦国氏は「ただいまより、私は長江三峡ダムの堰止めの開始を宣言する」と述べた。

 また、このほど開かれた全人代会議で呉邦国氏は「社区における就業と社会保障システムの整備を強化し、労働の能力と意欲のある一時帰休者の再就職を出来るだけ早く実現させなければならない」と強調した。

 

 次に胡錦涛氏が国家主席に選ばれた。胡錦涛氏は1942年に中国中部の安徽省で生まれ、1965年清華大学を卒業した。卒業は、長い間基礎組織での仕事に従事しました。1980年代半ば以後、相次いで、中国西南部にある経済が相対的に立ち遅れた貴州省とチベット自治区の主要な指導職務を担当した。1998年国家副主席に選ばれ、去年11月中国共産党中央委員会総書記に選ばれた。

 穏健な風格を持つ胡錦涛氏は、総書記に選ばれた後、「ケ小平氏と江沢民氏が打ち出した改革・開放の道を引き継ぎ、その道を歩んでいく」と何度も強調しました。総書記に選ばれた後、直ちに河北省の山間地区や内蒙古自治区の牧畜地帯及び北京市郊外の農村を訪れ視察活動を行ない、地元の人々の生活や生産情況に耳を傾けた。胡錦涛氏は、各級の指導者に、着実かつ効果的に仕事をし、地元の人々の利益を図り、生活が豊かになるよう指導することを要求している。胡錦涛氏は最近のある演説で、「中国の少数民族地区の経済と社会の発展への援助を強化していかねばならない」と述べ更に各少数民族の共同の繁栄と発展を実現させるには各民族が共に団結し奮闘しなければならない。中国は少数民族地区の経済と社会の発展を速め、人的資源の開発と少数民族の幹部の養成に力を入れ、国家の統一と民族の団結を断固守る必要がある」と強調した。

 

 続いて曾慶紅氏が国家副主席に選ばれた。
          
 今現役中国中央軍事委員会の江沢民主席は今回の大会の三番目の段階で中央軍事委員会主席に再び当選された。

 

 江沢民氏は1926年中国東部の歴史文化名城――揚州に生まれ、1947年上海交通大学電力機械学部卒業。1949年新中国成立後、旧ソビエトのモスクワへの留学を派遣された。帰国後、相次いで自動車製造業、機械工業研究機関、電子工業省などの部門で仕事をしていた。1985年業績が優秀なため、中国最大の商工業都市上海の市長に抜擢されました。1989年から中国の与党の核心指導層に入り、中国共産党中央書記の職に就き、1993年から中国国家主席、中央軍事委員会主席が二回続けて当選され、今回、中央軍事委員会主席を当選したのは三回目のこととなる。

 中国軍隊の最高権力者として、江沢民氏は国防建設と経済建設の協調した発展を強調している。去年、11月に開催された中国共産党第16期全体代表大会で、江沢民主席は強固たる国防の建設は我が国の現代化建設の戦略的な任務で、国家安全統一の維持といくらかゆとりのある社会の全面的な建設に重要な保障である。われわれは国防建設と経済建設の協調した発展の方針を堅持し、経済発展の基礎の上に国防と軍隊の現代化を推進していかなければならない。」と述べている。

            (「CRI」より)2003/03/16