【王さんの一言】ビラが少なくなり、きれいになった街をみると自分のやっていることに意義を感じます。

 今、道路や歩道橋、電柱などには、「治療」「観光」「求人」「ニセ証書の発行」など、国の認可を得ていないあやしい内容のビラがあちこちに貼られ、街の景観を乱している。

 このようなビラをはがし、街をきれいに整えるのが王農田さんの仕事だ。

 始めたばかりのころは、ビラを貼った人に仕返しをされるのではないかとビクビクしていた。しかし、ある老婦人は王さんの労をねぎらって、お茶をごちそうしてくれた。ほかの住民たちもビラに対して反感を抱いているため、この仕事を支持してくれる。「生活環境をきれいに保ちたいとみんなが願っています。自分の顔に変なものを貼り付けられて喜ぶ人がいますか」

 朝8時から夕方5時まで、毎日4、50キロは自転車で街中をまわる。一日の仕事が終わったら、宿舎へ戻り同僚たちとおしゃべりやトランプ。同郷の友人に会いに行き、望郷の思いをまぎらわすこともあるという。


   
[AM8:30]
自分が担当するエリアの道路標識に貼られたビラをはがす。

  [AM10:30]
公共の掲示板にも不法なビラが貼られることが多いのでチェック。
 
   
[PM12:00]
勤務する清掃サービスセンターに戻ってしばしの休憩。
  [PM1:00]
再び街を回り、道路わきの目に付いたビラをはがしていく。

 
   
[PM4:30]
壁に直接書かれた広告を消すのは大変だ。まずは洗浄剤をかけ、その後は専門の塗料できれいにする。
  [PM9:00]
同僚たちと宿舎でおしゃべり。10時半、就寝。
 

【宿舎拝見!】


40平方メートルの部屋に10人が生活している。各自にロッカーが一つずつあり、個人の物はそこにしまう。

 

お仕事道具チェック!


ブラシと鉄製のヘラ。しっかりと貼られたビラはまずヘラではがし、そのあとブラシでこする

高いところや地面に貼られたビラをはがすのに使う道具
 


 
洗浄剤が入ったスプレ [と専用の塗料。壁や街灯、バス停の標示板などに書かれた広告を消すのに使う


ビラはがしで出たゴミを片付けるのに使うホウキとチリトリ


仕事用の自転車。約300元
 
 

 

【プロフィール】 甘粛省生まれ、35歳。20歳から蘭州、西安、西寧、銀川などに出稼ぎへ。2003年に北京へやって来て、塗装工や飲料水の配達員などをやったあと、06年から清掃サービスセンターで現職に就く。月給は870元。妻と2人の子どもは郷里で暮らす。(2006年12月号より)

 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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