ネット上で気分を晴らす

                         文・張春侠


 仕事上の必要以外に、ネットによるチャットは、孤独から逃れる手段だ。しかし非常時では、チャットもさらに深い意義を持つことになる。ヤフー北アジア地区社長の関重遠さんは「SARSの流行っている時期には、人々はチャットをさらに多く行い、相互に鼓舞し合っている。チャットは人々の緊張感をほぐしてくれる」と言っている。

 劉敏さんは昼食が終わるとすぐに、ネット友達とチャットを始めた。以前、彼はほとんどチャットをしていなかった。しかしSARSが流行り始めると、彼はネット友達を探して、彼らとSARSに関する情報の交流をしたいと思った。

 SARSの猖獗は、人々に貴重な暇な時間をもたらしたし、また、人々を緊張の淵に陥らせた。このためネットによって結ばれた社会が、もっとも盛んな社交の空間となった。チャットルーム、掲示板、インターネットゲーム、インターネットテレビ・映画などがもっとも人気のある場所となった。とくにテレビ・映画は、毎日のアクセスが10万回以上に達したし、「新浪チャットルーム」は、メーデーの期間中、5万4000人が同時にアクセスする最高記録を樹立した。

 このほか、SARSに関するショートメッセージも、人々の関心を呼ぶもう一つの焦点となった。家から出られない状況下で、多くの人々がショートメッセージという形で、親しい友人たちにお見舞いや励ましの気持ちを送った。

 一部のプロバイダーは、SARSのショートメッセージを新しい商機ととらえ、次々に専門のラインを開設した。そしてショートメッセージ作成の名手たちに、絶えずユーモアのこもった励ましの言葉を作るよう求めた。SARSが猖獗する中で、リラックスした、暖かな気分をもたらそうというのである。
 同時に、彼らはできるだけSARSに関連のある情報を集めて、利用者に送っている。ある携帯電話のショートメッセージ業者は、SARSのショートメッセージの無料サービスを始めた。彼らは、SARSによって人々がますます自分の健康に関心を持ち、最新の情報を得たいと望んでいるため、ショートメッセージという方式がもっとも良い交流の方式だと見ている。統計によると、3月以来、「新浪網」のニュースを閲覧したユーザーは25%も増え、ショートメッセージの新たな登録ユーザーと1日に発するショートメッセージの量は30%以上増加した。その中で、SARS専門の利用者だけで、1日延べ300万人に達した。

                   『人民中国』インターネット版   2003/5/16