SARSの雇用への影響が深刻 労働・社会保障部


  労働・社会保障部は、重症急性呼吸器症候群(SARS)が雇用に与える影響は、経済成長に与える影響よりも大きいとする専門家の分析・調査結果をまとめた。これによると、出稼ぎ労働者800万人が帰郷、大学生212万人が就職を控え、北京の飲食業に従事していた80%の労働者が新たな就職先を探しているなど、就労条件は非常に厳しいという。

  就労条件の悪化の要因について、労働・社会保障部労働科学研究所の莫栄副所長は「SARSの影響が強い観光、商業・貿易、飲食業界がGDP全体に占める比重は比較的低い。しかしこれらの業種は労働密集型企業であり、就業面での比重はGDPの3倍に達する」と指摘している。

  SARSの影響が大きい業種はいずれも第3次産業で、中国の労働力を受け入れる主要産業。昨年の第3次産業の就業者は2億1000万人だった。労働・社会保障部は今年初め、800万の雇用が今年新たに創出されると予測していたが、SARSの発生で実現が難しくなったばかりではなく、失業人口もすでに800万人を超える事態となった。

              「人民網日本語版」より 2003年5月27日