外資は依然、中国市場を好感している


 新型肺炎SARSの猛威によって、中国大陸の民間航空界、旅行業、飲食業などは大きな衝撃を受けた。しかし多くの外国企業は、このために中国への投資の勢いを止めたりはしていない。彼らから見れば、SARSの影響はここ暫くのことであり、中国は依然として良き投資市場なのである。

 5月17日、モートローラー社の総裁兼CEOのマイク・ザヘロフスキー氏は北京に来て、SARSの治療と救済に役立てるため、総額1180万元の救援物資を中国に贈った。同時に同社は、北京政府との間に、研究開発公司設立のため9000万ドルを投資する協力備忘録に調印した。今後5年以内に、この研究開発公司は、人材と設備を含めて5億ドルを投入すると、同氏は述べた。

 SARSによる非常時にあっても、モートローラー社と同じように中国市場を良き投資対象と見なしている外資は少ないない。例えばスウェーデンの家具のイケヤ社は5月15日、北京・泰徳公司との間に、協力して6000万ドルを投資して3万平方メートルの多機能のイケヤ家具販売市場を建設する契約に調印した。また小売業の雄、ウォルマート社は6月に北京に出店する計画を延期せず、現在、各商品の陳列の準備に忙しい。ドイツの建材会社のOBIは4月、北京の亦荘に店を開く契約に調印した。さらに北京唯一の輸出加工区である天竺輸出加工区は4月、英国、ドイツ、日本、カナダなどの国や地域から、投資したいという引き合いの書面を受け取った。その中でドイツのある化学工業の会社はすでに、2000平方メートルの標準型工場の借用を始めており、投資総額は900万元にのぼる。

 今年4月に、新たに北京に投資が認められた外資企業は143社で、昨年同期と比べ53.8%増加した。実際に外資が直接投資したのは2億2300万ドルで、昨年同期比50.7%の増となっている。

 SARSによって外資が蒙る損失を減少させるため、現在、北京市の関係部門は、SARSの時期における外資投資者に対する関係措置の制定を急いでいる。これによって、旅行業や飲食業、サービス業など影響が比較的大きい業種の外資企業は、かなりの恩恵を受けることになろう。

 同時に、SARSの期間中に上海では、2900社以上ある外資企業のうち一社も、資金を引き揚げて上海を去るということがなかった。また4月だけで、520社の外資の新しい事業が上海で始まった。シーメンス移動電話有限公司のボーゲル総裁は、同社の経営がまったくSARSの影響を受けず、業務の中心を携帯電話から交通施設や医療設備などの領域に拡大し、今年は上海への投資は1500万ユーロに達するだろう、と述べている。

 こうしたことは、中国経済の発展に対して外資の投資者たちが、積極的で楽観的な態度を保ち続けているころを示している。米国のモルガン・スタンレー投資信託の首席経済学者であるスティーブン・ロッチ氏は、北京のSARSに対する措置が中国の適応能力や透明性、グローバリズムを反映しており、こうした角度から見れば、SARSの中国に対する長期的な影響は、積極的なものであり、さらに多くの外資の中国投資をひきつけることになるだろう、と分析している。

    「人民中国」インターネット版 2003/5/28