SARSも文化活動を阻止できず、
図書市場は大流行、テレビ視聴率も鰻上り


 突如襲来したSARSは市民の生活を混乱に陥れ、消費生活の欲望をセーブして活発であった消費市場を低迷させ、多くの企業に深刻な打撃を与えた。記者はこのような状況下の消費市場を調査した結果、非常時における多くの商機を発見した。SARSは人間の文化的要望を阻止することはできなかったのである。

自動車シアターの商機

 湖水、樹林、大自然のすがすがしい空気の中に身をおき、自分の自動車の中で面白い映画を見ることができる国内唯一の自動車映画館"北京楓花園自動車シアター"に人気が集まっている。自家用車にラジオ受信装置さえあれば問題は一切ない。それに、毎日の消毒で自動車シアターの衛生的安全は確保されている。このため、自動車シアターで映画鑑賞することは既に非常時における流行になっている。楓花園自動車シアターの張主任は、"環境はいいし、空気も美味しいです。緑地の面積も大きいし、自家用車の中は安全で自由ですから、皆様に喜ばれています"と語っている。映画館の衛生安全を確保する為に、彼らは4人の専従者を派遣して毎日消毒を実施し、観客が運転してきた車両に対しても無料で消毒サービスを行っており、安心して映画鑑賞できる環境作りに励んでいる。

図書市場大流行

 SARSから身を守るために自宅に閉じこもっている時、多くの人にとって読書は時を過ごすよい方法である。5月3日から "市民の健康安全のための読書環境作り"を主旨とする、北京図書大廈の"SARS撃退書籍配送"活動が開始された。5月6日までの4日間で予約購読問い合わせ数は延べ300件、契約成立延べ件数は200件であった。図書大廈はこの活動のためにホットライン10回線を開設し、書籍配送専用車4台を用意して、随時必要に応じて消毒済み図書を読者に届けている。

 一部の人々はネット購入方式をとっているが、ネット購入の中の五大商品のトップは書籍で全体の28.6%を占めている。

オーディオ・ビデオ製品大受け

 阜成路の某オーディオ・ビデオ店では、数多くの客がそそくさと商品を買い求めていた。テレビドラマ、国際的映画賞を獲得した映画に人気が集まっている。経営者は"現在の売れ行きは以前よりいいですよ。殆どの人がテレビドラマをセット購入するか、何枚も映画のDVDを購入するといった、集中購入が目立っています"と眼を細めている。

 ゲームや教育ソフトの販売量は更に突出しており、料理技術などの生活関係VCDの売れ行きも悪くないそうである。SARS撃退期間にVCDやDVDを自宅で見るのも大流行ということだ。
テレビ視聴率 跳ね上がる

 VCDやDVDを見たり、本を読んだり、ネットで遊んだりするほか、北京人のテレビ視聴時間も長くなっている。SARS撃退関連の番組も積極的に見られている。SARSに関する内容の歌、テレビドラマ、映画も持て囃され始めた。業界筋では、この種の題材は特殊な時期に人の心を捉える作用がある特殊時期における特殊需要である、と分析している。

                        (「チャイナネット」より)2003/05/21