年間の経済成長の目標を実現する信念を固める


 人民日報は評論員の文章を掲載し、突如襲ってきた新型肺炎の発生が国民経済に与える影響が日ましに顕在化していることに対して、困難を直視し、信念を固め、一方では新型肺炎の予防・治療に力を入れ、他方では建設に力を入れ、新型肺炎の予防・治療と経済の発展の両方の勝利をかちとるように努めなければならないと指摘している。
 
 新型肺炎はすさまじい勢いで襲ってきたが、全国を襲っているわけではない。経済に大きな影響を及ぼしているのは主に疫病発生状況が深刻な地域および交通運輸、サービス業などの業種である。当面の急務は新型肺炎の予防・治療の仕事に関する中央の諸措置を断固として実行し、一日も速く疫病の発生を抑えることである。こうしてこそはじめて経済、社会が安定した環境の中で発展をとげ、損失を最低限に抑えることができるのである。
  
 新型肺炎の影響に対し、冷静かつ全面的に認識すべきである。新型肺炎の発生による衝撃がゆゆしいことを認識するだけでなく、困難を克服するうえでの有利な条件をも見てとるべきである。挑戦を見てとるだけでなく、チャンスも見てとるべきであり、年間の経済成長の目標を実現する信念を固めなければならない。

 当面、中国は経済発展の情勢が最もよく、マクロ経済が最も安定した時期にあり、これは新型肺炎によるマイナスの影響を克服し、経済の着実な発展を保つ基礎となっている。数年連続して内需拡大の方針を貫き、積極的な財政政策と穏健な通貨政策を実施してきたため、投資、消費、輸出を効果的に促し、国民経済が逐次内発的成長メカニズムを形成することになり、新しい成長期に入っている。今年第1四半期におけるGDP伸び率は9.9ポイントに達し、6年来で最高となっている。中国の国内市場がきわめて大きく、企業の突発事件への対処能力が強まり、経済の行動の余地が大きくなり、経済成長の良好な勢いを保つうえで大いに潜在力があると言える。
  
 近年、中国の経済力は著しく増強され、財政収入が大幅に増加しているため、新型肺炎によるマイナスの影響を克服し、経済の着実な発展を維持するために財力を提供している。いまでは、国の外貨準備高はすでに3000億ドルを超え、第1四半期の財政収入は5205億元に達し、昨年同期比36.7ポイント増え、ここ10年来で最高となっている。これは政府が新型肺炎による危機を緊急処理し、経済を調整、コントロールする能力を強めていることは疑いない。

 さいきん、各クラス財政機関は相次いで新型肺炎の予防・治療に用いる特別資金を追加支出している。一部の地方は直ちに商品の供給を配置し、生産と輸入を増やし、新型肺炎の予防用薬品とその他の生活商品の供給を保証している。関係部門はいくつかの免税、減税優遇政策を公布し、民間航空、観光、飲食、商業貿易、タクシーなど新型肺炎の影響を大きく受けている業種を助成している。これらは、アジア金融危機、98年の大洪水を経験した中国政府と中国人民が新型肺炎による危機にうち勝ち、新型肺炎の経済に対する影響を克服する能力と条件があることを十分に立証している。
  
 民間航空、観光、飲食、商業貿易などの業種が新型肺炎による衝撃を受けていると同時に、市場における電子ビジネス、通信機器、衛生防護用品、スポーツ用品への需要が増え、いくつかの新しい消費成長要素が現れた。同時に、中国の鉄鋼、自動車、化学工業、家電、医薬などの業種は依然として勢いよく成長をとげている。今年第1四半期における工業経済の国民経済の成長に対する寄与率は約55%となっている。これらは経済成長を先導する重要な力だけでなく、経済構造調整のチャンスも含まれている。効果的な措置をとり、大きな衝撃を受けた業種を助成して困難にうち勝ち、損失を最低限に減らすと同時に、チャンスをつかみ、新しい消費と経済成長要素を積極的に育み、市場と潜在力のある業種を急速に発展させるよう促すならば、国民経済が着実に発展する勢いを保つことができる。喜ばしいことに、一部の関連業種と企業はすすんで調整を始め、市場の変化に積極的に適応するようになっている。

 伝えられるところによると、このところ、疫病の発生状況がいくらか緩和しているが、決して油断はできず、だらけたり警戒心をゆるめたりしてはならない。さまざまな困難とマイナスの影響をゆゆしいものとして見積り、解決の措置を十分に準備し、信念を固め、有利な条件を利用して、危機をきっかけにして、すべての人たちが心を一つにして新型肺炎とたたかい、困難に立ち向かって発展を促し、新型肺炎の予防・治療と経済発展の両方の勝利をかちとるように努めなければならない。

                    (「チャイナネット」より)2003年5月23日