SARS研究7分野で大きな成果 SARS対策指揮部が発表

 
  全国重症急性呼吸器症候群(SARS)対策指揮部の科学技術チームは2日、記者会見で最新の科学研究結果を発表した。

 軍事医科院の副院長を務める科学技術チームの黄培堂副組長によると、感染状況の予測、ウイルスの体外での生存、退院患者がウイルスを排出するかなどの流行病学の研究で大きな進展があった。主な研究成果は次の7点。

 (1)SARSウイルスの体外での生存期間を確定。摂氏24度での生存期間は、痰・便中で約5日間、尿中で約10日間、血液中で15日間。室内では、フィルター、綿製の布、木片、土壌、金属、プラスチック、ガラスなどの表面で3日間生存できる。

 (2)現在使用されている数種類の消毒剤と使用法別の効果について比較。塩素系消毒剤、過酢酸、紫外線の照射は、一定の強さに達した場合、体外のSARSウイルスを死滅させることができる。SARSウイルスは温度に敏感で、無血清培養で摂氏37度での生存期間は4日間。56度の加熱処理90分間、75度の加熱処理30分間で死滅する。

 (3)退院患者からの伝染の危険性はない。

 (4)SARS患者と密接に接触した人の潜在的感染の可能性は低い。

 (5)潜伏期間のSARS感染者から伝染する可能性は低い。

 (6)国家SARS抑制・警報地理情報システムを設立し、使用を開始。

 (7)SARS流行の短期・中期分析予測方法を確立し、特に北京市については、1週間以内に新たに確認される感染者数を予測。1日ごとの予測では、実際の感染者数との差が10%以内の日数が、全日数の66.7%を占めた。

          「人民網日本語版」より 2003年6月4日