「情勢は依然深刻」温家宝総理


 重症急性呼吸器症候群(SARS)対策を協議する中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の緊急首脳会議が29日、タイの首都バンコクで開かれた。首脳会議後の共同記者会見には、国務院の温家宝総理のほか、カンボジアのフン・セン首相、タイのタクシン首相、シンガポールのゴー・チョクトン首相が出席。温家宝総理は「中国政府は責任ある政府であり、国内に住む13億の人民の健康や生命の安全だけでなく、世界の人々の福祉と健康にも貢献していかなくてはならない」と強調したうえで、記者の質問に次のように答えた。

 ―― 中国とASEANの具体的協力について

 首脳会議では、ASEANとの相互報告体制の整備、出入国管理の強化などを含む一連の提案を行った。中国は特別基金への拠出を希望しており、ASEANとの協力展開を支持している。SARSによる同地区の経済や社会に与える影響を削減していく方策についても協議を行った。

 ―― 中国の感染状況について

 中国政府はすでに一連の果断な措置を発表している。これらの措置は中国人民からだけでなく、国際社会からも支持されている。情勢は依然深刻だが、われわれはこれに打ち勝つ自信がある。すでに各級政府から普通の市民に至るまで、全員が行動を起こしている。行動自体に希望がある。最終的な成果は、発病率や死亡率を下げ、治癒率を高めて判断される。われわれは実際の行動で、中国政府の決意と中国人民の意思を証明していく。

 ―― 感染報告の信ぴょう性について

 正確な感染報告はわが国の法律にも規定されており、予防や治療を進めるうえでも必要だ。隠ぺいに対しては法的責任を負わせる。すでにわれわれは感染状況を毎日報告する体制を実行している。国務院はまた31の督察チーム各地に派遣し、指導を行っている。われわれは世界保健機関(WHO)の中国視察を歓迎しており、どの地方、どの病院を視察しようと自由だ。われわれはWHOの意見や提案を重視する。

                    (「人民網日本語版」より)2003年5月6日