全国の財政部門 SARS対策に59億元支出済み


 重症急性呼吸器症候群(SARS)の発生以来、全国の財政部門では資金・政策・施策面からSARS対策を全面支援している。政府財政部門による20億元のSARS対策基金は迅速に引き出されており、6日までに9億元が利用されている。

 地方政府の各級の財政部門もSARS対策への支出を拡大しており、6日までに、各地方政府は対策費用として、すでに50億元以上の予算を計上したとの報告をしている。

 政策面では、農民と困窮している都市住民のSARS患者が適宜治療を受けられるよう保障するために、財政部と衛生部は4月29日、SARSに感染した農民と都市の生活困窮者を救う問題に関する緊急通達を出し、これらの人たちが無料で治療を受けられるよう明示した。また翌30日には、衛生部、財政部、労働・社会保障部、民政部が共同で、SARS患者と疑い例の治療費支払に関する緊急通達を出し、医療機関に対して、SARS患者治療の手続きを簡素化するとともに、検査・治療中に関わる費用を記録し、治療後に規定に基づき処理するよう求めた。

 税収面では国務院の認可を経て、(1)海外から寄付されたSARS対策用の防護用品、診断設備、治療看護設備、救急車、患者輸送車、消毒車にかかる輸入関税と輸入増値税を免除(2)SARS予防・治療の第一線で医療や感染拡大防止に携わる人などの、突発的な業務への特別手当にかかる個人所得税を免除(3)北京の野菜を取り扱う個人経営者には、SARS流行期間の増値税・個人所得税を免除――などの優遇策もすでに制定・導入されている。

 また施策面では、財政部は4月30日に、政府部門が2003年の政府予算を、SARS対策費用確保のために調整することに関する緊急通達を出し、政府の各部門が、共産党中央・国務院のSARS対策の要請に基づき、会議・出張・研修・出国にかかる費用など一般的な公費を縮小して、SARS対策を万全にするよう求めた。

                       (「人民網日本語版」より) 2003年5月12日