新 聞

 中国語では新聞のことを「報紙」というが、最初は、日本と同じく「新聞紙」といっていた。英語のnewspaperの意訳である。「新聞」というのは、最新の見聞のことで、言葉として理解しやすく、覚えやすく。

 ところが、「新聞紙」という言葉は、現在、中日両国ともにほとんど使われなくなっている。日本語では「新聞」と略して言うが、これは原義を残している中国語の「新聞」の意味と違っている。

 中国語の「報紙」は、現代漢語の単語がほとんど二字という習慣 から来ているが、ほかに歴史的な淵源もある。

 漢代の「郡国」や唐代の「藩鎮」(いずれも地方政権)は、みな中央政権の所在地・首都に「邸」を設けていた。今の「弁事処」に相当する。「邸」は朝廷に関する消息を定期的に地方へ送らなければならない。これを「邸報」といった。宋代になると、「邸報」は手書きの出版物に発展し、すでに新聞の原形をなしていた。

 明代にはそれが活版印刷に変わり、清代になると「京報」と改称された。もちろん、これは政府出版の新聞で、西洋から伝来した「新聞紙」とは違う。のちに両者が合流して今日の「報紙」が生まれた。




 
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