検 討

  歴史的に見て、現在の中国では失われているが、日本に伝わって残っているものが多い。とくに言葉の面で、その例が多い。例えば、「検討」だが、昔の中国語の意味は研究とか討論。日本語のそれと全く同じであった。

 ところが、現代中国語の「検討」は、自分の思想上、仕事上、生活上の欠点や過ちをさがし出し、その根源を追求すること、つまり自己批判を意味する。

 この同語異議から生まれた笑い話がある。ある貿易交渉の最中、中日双方の間で非常な激論になり、互いに譲歩市内。ついに日本側から「持ち帰って検討してきます」と。本来、これは「研究してきます」と訳すべきところだが、通訳は「検討」という言葉をそのまま使った。中国側関係者は、わけがわからない。「日本人は謙虚でなあ」と、称賛したとさえ言われる。




 
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