小 説

 中国において、「小説」という言葉が最も古く使われているのは2000年前の哲学家・荘子の著作の中である。しかしその意義は、現在のいわゆる「小説」とは全く関係がなく、口伝えのうわさ、今風に言えば口コミのニュース。

 後漢に至り、史学者班固はその著「漢書」の中で、小説を一種の文学形式として確定し始めているが、ただ随筆、小品文の類のみを指す。のちに、『水滸伝』『三国演義』等々、著名な小説とは言われず、説話の一つにすぎなかった。日本の『源氏物語』のように、物語と同じであった。

 現在の小説という言葉は、日本の明治維新のころに使われ始めた。当時の日本では、漢語を使って新しい言葉がたくさんつくられた。小説という言葉が中国に伝わったのは、坪内逍遥が「小説神髄」を書いてのちのことである。




 
本社:中国北京西城区車公荘大街3号
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。